「イギリスのクルマ」日産キャシュカイ新型、英メディア高評価「時代の潮流捉えた」

日産自動車

◆ファミリーに愛される実用性
 オート・カー誌は、2006年にイギリスでデビューしたキャシュカイが、クロスオーバーSUVというコンセプトの認知度を広めた草分け的存在であったと評価する。ファミリーに優しい実用性と一般的なSUVの一歩先を行くオフロード性能を併せ持つキャシュカイは、長年人気のモデルだ。イギリスのサンダーランド工場では、これまでに300万台を超える数を製造している。

 ファミリー重視の設計思想は、新型でも顕著に感じられるポイントの一つだ。先述のようなデザイン性も目を引くが、その本質は家族の生活を支える実用性にこそある。英オート・エクスプレス誌(6月17日)も同じくファミリーにうってつけだと捉えており、「新しい日産 キャシュカイは非常に使い物になり、そして便利で実用的なファミリーSUVだ」と評価している。

 テレグラフ紙はとくに実用性に注目し、「日産 キャシュカイSUVは人間と荷物を運搬することを目的としたマシーンである」と述べ、ダイソンや調理器具などと同様、特定の使命を帯びた機械なのだと論じる。その意味でもキャシュカイは、順当な進化に成功したと言えるだろう。新型はサイズを拡大し、全長で35ミリ、全高で25ミリ、全幅で32ミリ大きくなった。これに伴い、とくに後列シートに余裕を感じるようになっている。また、高張力鋼を採用したルノー・日産アライアンスのCMF-Cプラットフォームによりボディ剛性が48%向上し、家族の安全にも寄与する。ファミリーへの実用性を一段と高めたモデルだ。

◆来年にはe-POWERモデルも
 新型キャシュカイは今夏、ガソリンエンジン・モデルの販売が始まる。エンジンは1.3L直噴ターボで、これに12Vマイルドハイブリッドを組み合わせた。トランスミッションは6速MTとCVTから選択可能だ。駆動方式は基本的にフロントドライブとなるが、CVTモデルではオプションで4WDを用意する。

 なお、来年には日産 e-POWERに対応したモデルが登場する予定だ。e-POWERは現在日本で日産 リーフにも搭載されている電動パワートレインで、ガソリンで発電用モーターを駆動し、生成された電力をバッテリーに蓄電または走行用モーターに給電する方式となる。従来型のハイブリッドと比較すると、高出力モーターによる純粋な電動走行を楽しむことが可能になるだろう。

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Text by 青葉やまと