「イギリスのクルマ」日産キャシュカイ新型、英メディア高評価「時代の潮流捉えた」
日産の欧州部門は、人気ファミリーSUV「キャシュカイ」の新型の生産を開始した。今夏の発売を予定している。初代は日本でも「デュアリス」の名で販売され、イギリスでも15年の歴史を持つシリーズだ。現地で設計・デザインの改良を重ねた新型は、さらにモダンな装いへと昇華した。
◆スタイリッシュで引き締まったデザインに
欧州向けキャシュカイは、イングランド北東部タインアンドウィア州にある日産のサンダーランド工場で製造される。デザインはロンドン中心部に位置する日産デザインヨーロッパが担当した。歴史あるイギリス国有鉄道の元車庫を改修し、モダンな息吹を吹き込んだスタジオだ。そのため、英テレグラフ紙(6月20日)はキャシュカイを「イギリスのクルマでもある」と表現。そして、日産が過去14年間ほど欧州市場にコミットする姿勢を見せ、同時にキャシュカイに携わるエンジニアなどスタッフたちはストイックに良い仕事をし続けてきた、と振り返る。日本車であると同時に欧州が育んだモデルとして、イギリスの人々にとっても誇りを抱けるようなモデルになっているようだ。
新型についてはキャシュカイの伝統を感じさせながらも、モダンなデザインが光ると同紙は分析する。「これは明らかにキャシュカイだが、同時にまた、時代の潮流を捉えている」と述べ、時の流れを汲んだ進化を評価している。Vモーショングリルおよびフロントからリアまでを美しく結ぶプレスラインはこれまでもキャシュカイの個性だったが、新型ではより洗練された処理になり、既存モデルよりも張りのある印象を持たせた。
英オート・カー誌(6月17日)も、新型のデザインに注目する。SUV市場に多くのライバル車種がひしめく現在でも、「デザインに無難さを求めるようなことは明らかにしなかった」と評価している。シャープなショルダーラインや独特なカーブなどが、現行型よりもさらに大胆な印象を与える。そのうえで初代の個性的な持ち味も残しており、新旧のテイストが巧みな融合を果たした。
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