「素晴らしいサプライズ」新型シビックセダン、北米発売 円熟デザインと安定性が好評

本田技研工業

◆走行フィールは「素晴らしいサプライズ」
 走行感も期待に沿うものとなった。モーター・トレンド誌は実際にテストドライブを行ったうえで、新型シビックは「素晴らしいサプライズ」だと結論づけている。先に難点を挙げておくと、パワートレインに関しては現行モデルと大差なく、この点に同誌はやや失望してしまったようだ。しかし「ハンドリングとシャシーの総合的な安定性に、私たちは本当に、本当にいい意味で大笑いしてしまった」と述べる。カリフォルニア州マリブの細い沿岸地帯を走るテストでは、渓谷を抜けるつづら折りの道でも、コンパクトな車体が剛性を発揮していた。新型シビックは構造材の改良などによってねじり剛性が8%、曲げ剛性が13%向上しており、この恩恵を受けた形だ。

 ほかにも同誌は、フォルクスワーゲン ゴルフGTIを思わせるパフォーマンス、ポルシェのようなアクセルペダルの入力マッピング、確かな反応を見せるブレーキペダルにキレのあるスロットルなどを挙げ、心地よいドライビング体験ができたと振り返っている。「日々のドライブで2022年型ホンダ シビック セダンに大きな欠点を見つけることは難しい」と述べる。

 総合的に見ても、非常に満足度の高いモデルになるだろうというのが各誌の見解だ。米モーター・ワン誌(6月16日)は本車に対し、10点満点中9.6点の高評価を与えている。11代目となる新型は「ホンダがここ数十年間をかけて完成させた手法に新たな解釈を加えるものだ」と同誌は述べ、知らない人はいないほどの名シリーズをいっそう強化したものだと紹介している。「シンプルに、以前よりも良い」とも表現し、現在でも売れている10代目シビックがさらに前進したと評価している。

◆北米で販売中
 新型ホンダ シビックは16日から北米で販売中だ。エントリーレベルの「LX」は2万1700ドル(約241万円)から購入可能だ。ホンダが最多販売モデルになると見込む「スポーツ」は2万3100ドル(約256万円)となり、18インチ・アロイホイールとパドルシフトを備えるほか、より豊かなスタイリングを用意する。以上の2グレードは2.0L直列4気筒の自然吸気エンジンだ。上位「EX」からは、1.5Lターボチャージエンジンを搭載。最上位の「ツアーリング」はこれに加えてレザーシート仕上げとなり、BOSE製プレミアム・サウンドシステムなどでいっそう快適なキャビンを実現した。

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Text by 青葉やまと