接種完了者にプレゼント、割引提供 企業がワクチン普及を後押し
◆カンタス航空のプレゼントキャンペーン
オーストラリアのカンタス航空は、オーストラリア人を対象に、7月からワクチン接種済みの乗客へのプレゼントキャンペーンを始める。しかも、くじに当たれば、1000ポイントや、家族4人分のカンタス航空とジェットスター航空の一年間無料搭乗の権利を贈られることになる。フランスのホテル業者アコーも、カンタス航空と提携し、合計100万のロイヤルポイントと、宿泊招待を提供することを決めた。カンタス航空CEOのアラン・ジョイスは、「すべての企業が、接種済みの人々に何らかの報酬を提供するかたちでワクチン普及を支援する」よう希望すると発言している。(20 minutes紙、6/1)
オーストラリアでは、一度目のワクチンを接種した人は17.11%、二度とも終えた人は2.21%しかいない。しかしながら、同国の問題は、人々の躊躇だけではない。BBC(6/2)によれば、オーストラリアのミレニアル世代(25~40歳)はむしろワクチンを切望しているのだ。だが、同国では40歳未満の住民のほとんどはいまだにワクチン接種対象ではない。5月からは、50歳以上なら誰でもアストラゼネカ社のワクチン接種を受けられるようになったところだが、血栓疑惑のせいで、アストラゼネカ社のワクチンを拒否する人が増えたのだ。50歳未満であれば、ファイザー社のワクチン接種対象となるが、オーストラリアはファイザー社のワクチンを多く保有していないし、正確な数も公表していないというのが現状だ。
ただでさえ「優先リストから外され」「支援なく放置された」と感じているオーストラリアの若い世代。カンタス航空の仕掛けるワクチン普及キャンペーンで、さらに疎外感を深める可能性もありそうだ。
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