「我々はこの車のためにインフラが必要だ」新型MIRAI、英紙が太鼓判
◆新奇性を捨て、より親しみやすく
2代目は親しみやすさが増したことでも評判だ。英デイリーメール系の投資情報サイト『ディス・イズ・マネー』は、初代よりも落ち着きの出た新型 MIRAIを、良い意味で普通の自動車のような水素自動車だと評している。先代はSF作品の世界から抜け出てきたような個性的なスタイルだったが、2代目は自然な美しさへと方針を転換した。
同誌が試乗してみたところ、さすが燃料自動車というだけあって、走行は静寂そのものだったという。あまりに静かなため、トヨタは好みに応じて作動させられる「アクティブ・サウンド・コントロール」という機能を搭載した。機能をオンにすると運転状況に応じた模擬的なエンジン音を発生し、走行の状況をドライバーに直観的に伝えるしくみだ。
静音性では段違いのMIRAIだが、燃料補給が必要な場面では、ガソリン車と同じく手軽に済ませることができるようだ。現時点では水素ステーションの数こそ限られているものの、ステーションさえ見つかれば、水素燃料の充填は5分程度で完了する。まさにガソリンスタンドに立ち寄るような感覚であり、ピュアEVほど長時間の充電を必要としないのは大きなメリットだ。ただし、燃料補給のコストも現状はガソリン車と同程度となっており、燃費ではEVに及ばない模様だ。トヨタによると、再生エネルギーを促進するイギリス政府の政策により、今後10年間ほどで燃料価格は半分以下にまで下がる見込みだという。
テレグラフ紙は結論として、「水素を充填する場所の問題さえなければ、MIRAIはすぐにヒットするだろう」とし、「間違いなく、燃料電池車は到着した。いまはただこのためのインフラが必要だ」と述べている。
◆ライバルはテスラか
新型MIRAIは新たに開発した高出力モーターを搭載し、0-100キロ加速を9秒にまで縮めた。初代比で0.6秒の短縮となる。最高速度は時速175キロとした。
イギリスでの販売価格は、エントリーモデルのMIRAIデザインが4万4995ポンド(約693万円)となっている。英各誌はライバル車種として、純粋に価格で見ればテスラ モデルS、性能も含めた評価ではモデル3の名を挙げている。
新型トヨタ MIRAIは、イギリス国内などですでに販売中だ。
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