日産キックス2021年モデル、米誌「総合的にコスパ最高」

日産自動車

◆ドライバーにも同乗者にも嬉しく
 インテリアも実用本位のデザインになっており、ストレスのないドライブを支援する。ロード・ショー誌は、スイッチ類が期待した位置にあり、素材も十分にしっかりとしたものでできていると評している。ただ、すべてが完璧というわけではなく、例としてドリンクホルダーは大きな窪みを間仕切りで仕切ったタイプのもので、安定感に欠けるようにも感じられる。記者は「(ホルダーより)小さいドリンク、そうだね、たとえば無脂肪乳で作ったグランデサイズのバニラ・スターバックス・ラテなどは、カーブの最中に簡単に倒れるだろうね。どうして知っているかって?」と試乗体験を振り返る。

 そのほか、ドライバー以外への配慮もMY2021で向上している。FOXニュースは、以前のキックスはセンターコンソール上に助手席用のアームレストがなかった点が不満だったと回顧する。本モデルではきちんと装備されたほか、後席のレッグルームも十分なサイズが確保されており、同乗者もいっそう快適な時間を過ごせる仕様となった点が大きなアドバンテージだ。

◆手頃な価格で訴求
 こうした改良を施した結果、新モデルの価格は既存モデルをやや上回ることになったものの、それでもエントリーレベルの「S」で1万9070ドル(約208万円)という値段に抑えられている。米ドライブ誌は、近年2万ドル以下のレンジの車種において目覚ましいレベルの向上が見られるとしたうえで、新型キックスはそれを象徴する非常に良い例だと述べている。

 さらに上位のグレードも魅力だ。ロード・ショー誌は、ミドル・グレードの「SV」および上位「SR」ではいっそう装備が充実していると伝えている。車体各部のさまざまな動作状況を示すアドバンスド・ドライブ・アシスト・ディスプレイやApple CarPlayとAndroid Autoなどがついて、SVは2万700ドル(約226万円)、SRは2万1320ドル(233万円)と、エントリー・グレードの1割増し程度で購入可能だ。なお、日本国内ではガソリン専用モデルの併売がない。e-Powerを搭載したHVモデルを展開中で、国内価格は税込約276万円からとなっている。

【関連記事】
北米で好調の日産「キックス」、どんな車? ジューク後継で国内投入の噂も
英国で絶賛、日産GT-R NISMO 「興奮冷めない」「超現実的なドライブフィール」
「日産の新たなブランド像を体現」新型EVアリア、優美なデザイン・性能に海外も注目

Text by 青葉やまと