「あらゆる面で進歩」日産 新型ローグ、米メディアは高級感にも好感

Nissan North America

◆新プラットフォームを採用
 課題であった走行感も格段に進化した。従来、ローグの走りについては必ずしも評判が芳しくなく、そのドライビング・ダイナミクスは「残念」「機敏さに欠ける」との意見が目立った。新型はより強固なシャーシによりコントロール性能を向上したほか、ステアリングの改善によってとくにスポーツ・モードでの安定性を増した。実際に試乗した米ギア・パトロール誌(10月21日)の記者は「走りはどうか? 驚くほど良好だ」「我々が期待していたよりも優れていた」と、進化に驚きを隠さない。決してコンパクトSUVの域を突き抜けるような性能ではないものの、スムーズかつ静音性に優れており、比較的曲がりくねった道にも十分に対応できると同誌はコメントしている。

 このような変化についてオート・ブログ誌は、「日産が白紙からデザインをやり直して対応した」ことで実現したものだと紹介している。新型ローグは、まだどのモデルにも採用されていない完全に新しいプラットフォームを導入した。材料にはアルミと超高強度鋼の使用比を高め、軽量と剛性の高さを同時に実現している。ほか、リア側のマルチリンク式サスペンションの再設計、デュアルピストン・ダンパーの採用、パワステのカラムマウントからラックマウント式への変更など、設計の刷新を重ねることでドライブの快適性を追求している。エンジンではおよそ8割のパーツを更新し、わずかながら馬力とトルクを向上した。CVTは機械的には従来と同様だが、ソフトウェアの変更によってペダルの加速操作により素早く反応するようになっている。

◆プロパイロットもバージョンアップ
 先進機能も積極的に取り込んでおり、運転支援機能「プロパイロット・アシスト」(日本名「プロパイロット」に相当)の最新版を搭載する初のモデルとなる。自動ブレーキが従来よりもスムーズに動作するようになり、同一レーン自動走行の際のレーンの認識能力もより頼もしくなった。さらにナビリンク機能が付属し、前方にカーブが想定される場合にあらかじめ自動的に減速操作を行う。

 新型日産 ローグは全4グレードで展開し、価格は最も安価なSグレードで2万6745ドル(約282万円)、最高のプラチナモデルで3万5430ドル(約373万円)となる。全グレードとも1400ドル(約15万円)の追加料金でAWDへのアップグレードが可能だ。10月下旬からすでに北米で販売が始まっている。

Text by 青葉やまと