新車も中古車も品薄高値 米でピックアップトラック人気が過熱

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◆供給不足で中古も高値 ピックアップ大人気
 ピックアップ需要の高まりに対し、困ったことに供給が追いついていない。実はコロナウイルスの感染が広がった春に、カナダやメキシコの北米自動車工場は操業を停止していた。これによりフルサイズのピックアップを含むニューモデルの生産に著しい影響が出た(CNBC)。

 この時期にはディーラーも店舗を閉めていたため、新車販売が激減した。新車が売れないため下取りに出る中古車も減り、リース車の契約延長も増えたため、中古車の供給も激減してしまったという(デトロイト・ニュース)。そこへやってきたのが、現在のピックアップ人気だ。新車が容易に手に入らないだけでなく、中古も見つかりにくく、価格も上がっている。CNBCによれば、インターネットなどで希望の中古車を見つけ、数百キロ先の町から買いに来る客もいたほどだ。

 CNBCのインタビューに答えたエコノミストによれば、フルサイズの中古ピックアップの平均価格は2月以来31.5%も上昇しており、同等の新型車より高い場合もあるということだ。

◆大きくて頼れる アメリカならではのピックアップ愛
 さて、なぜこれだけピックアップがアメリカで大人気なのか日本人には謎だが、自動車情報サイト『Cars Spy Photos』がその理由を説明している。まず理由として上げられるのが大きさだ。アメリカ人はビルから車までとにかく大きい物が好きということだ。また馬力があってトレーラーやボート、セメントミキサーまでけん引できるものならなんでも引っ張ることができる。スピードも自由自在で、時速130~160キロで高速道路を飛ばすことも、ぬかるみの中を時速10キロ以下で進むこともできる。

 さらに耐久性も抜群で悪天候にも強く、カスタマイズも可能。釣り、買い物、通勤とどんなシチュエーションにも使えるし、マットレスや家具も買ってすぐ自分で持って帰ることができる。アウトドアでも用具はすべて車に積めるし、引っ越し荷物の運搬も楽々だ(ただし頻繁に友達の引っ越しを手伝わされる可能性は高い)。保険やタイヤが高いのが欠点だが、ピックアップの素晴らしさは広いスペースと自由を保証してくれることだとし、アメリカンスピリットとスタイルを加えてくれるとしている。

Text by 山川 真智子