全米で訴訟の電子タバコ「JUUL」、日本上陸を検討

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 Juul(ジュール)はベーピング(蒸気を利用した吸引)方式の電子タバコだが、甘いフルーツなどのフレーバーがあり、アメリカを中心に若者に人気となった。しかしニコチン量が従来の電子タバコより多く、依存症を引き起こすとして多くの訴訟が起きており、社会問題化している。Juulは日本進出に向け準備中という報道も出ており、認可されるかどうかが注目される。

◆ニコチン3倍 電子タバコ界をけん引
 カナダの公共放送局CBCは、Juulがたばこを再創造し、ベーピング市場を独占した商品だと述べ、その歴史を伝えている。Juulの前身は、スタンフォード大学の卒業生2人が作った企業、Ploom(プルーム)が2010年に発売したモデルワンというペンサイズの電子タバコだ。Ploomは翌2011年には、さまざまなフレーバーが楽しめるモデル・ツーを発表。さらに2011年大麻用モデル、Pax(パックス)が発売された。

 2015年に、Ploomは同社に出資していた日本たばこ産業(JT)にPloom製品の権利を売却し、社名をPax Labsに変更する。同年6月に、ニコチンソルトという化合物を使い、これまでの電子タバコより3倍のニコチンを含有するJuulを発売した。その後Pax Labsは2017年12月に大麻吸引器にフォーカスする会社となり、Juulは枝分かれした別会社Juul Labsの商品となった。

Text by 山川 真智子