コロナ後のオフィス・仕事どう変わる?「社会的距離オフィス」、接触追跡、在宅勤務

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♦︎コロナ後も継続のリモートワーク 米では補助金支給も
 急速に浸透した自宅勤務だが、この傾向はパンデミック収束後も続くとの見方がある。米CNBC(4月30日)は「一般的な9時-5時の勤務時間は過去のものとなり得る」と論じる。あるキャリア指導者は、自宅作業が拡大したいま、始業・終業時間の規則を多くの企業が緩和し、従業員の自発的な改善意欲を尊重するようになってきていると指摘する。私生活のスケジュールと共存できるような、より柔軟な働き方が浸透する可能性が出てきた。

 リモートワークにあたり、自宅の環境整備の目的で補助金を支給する企業がある。ツイッター社および音楽配信のスポティファイ社は、3月の時点ですでに在宅作業者への補助金を支給した。ツイッター社のケースでは、非正規労働者も対象に作業デスクなどの購入費用を支給している。スポティファイは一律1000ドル(約11万円)を必要経費として支給した。

 ワシントン・ポスト紙も、リモートワークは今後継続されるだろうと見込んでいる。多くの労働者が自宅勤務の効率性に気づいたことから、雇用者側も継続を容認してゆくだろうとの予測だ。出社機会の低減により、長期的にはオフィス空間は縮小される可能性がある。従来のような固定席は設けられず、ソファなどが置かれたアドレスフリー(固定席なし)の作業空間が好まれるかもしれない。スターバックスやシェアオフィスなどをイメージするとわかりやすいだろう。ただし他者と机を共有することとなるため、感染症予防という意味では矛盾もはらむ。

♦︎ソフト面でも対策さまざま
 ソフト面でもさまざまな感染防止策が検討されている。冒頭で触れた6フィートオフィスのコンセプトでは、現状分析、ルール策定、指導員の配置、そして感染対策のオフィス認証制度の導入などを提唱している。

 CNBCは、今後ますますビデオ会議の利用が進むだろうと見る。遠隔の会議がより広まった結果、出張の機会は大幅に減ることだろう。各企業は厳しい経営を迫られているが、出張抑制は感染症予防に有効なだけでなく、経費削減の意味でも効果的だ。

 そのほか、ワシントン・ポスト紙が紹介する事例によると、IBMは時差出勤や社員食堂でのビュッフェ提供中止などをアジアのオフィスで導入している。半導体大手の米インテルは、マスク配布やジムの閉鎖などを実施したほか、従来夜間に行っていたオフィス清掃を日中の時間帯に移動した。清掃が可視化されたことで、オフィス従業員たちの安心感が向上したという。

 パンデミックを契機として、このように従来の常識を取り払ったオフィスのあり方が模索されている。ただしワシントン・ポスト紙は、検温を実施したり、エレベーターのキャパシティが減少して待ち時間が増えたりすることで、かえってオフィスでの滞在時間が長くなるという矛盾を指摘している。コロナ後も安心して働けるオフィスを目指し、今後も各社の試行錯誤が続く。

Text by 青葉やまと

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