豪で4年連続販売1位トヨタ ハイラックス その人気の理由は?

♦︎豪で4年連続1位
 そのタフさと実用性が受けてか、ハイラックス登場50周年となる2018年までに、世界累計1772万台を販売している。

 オーストラリアでは2016年の新車販売台数が4万2104台で1位となり、2017年4万7093台、2018年5万1705台と1位をキープ。2019年はオーストラリアの新車販売市場は一般に不調で、総販売台数が前年比7.8%減となり世界金融危機以来の不況となったが、そのような状況でもトヨタの好調は続いており、「トヨタは2019年に20万5766台の売り上げを記録し、予想どおり17年連続のマーケットリーダーとなった」とカーズ・ガイド誌(1月6日)は報告している。成功要因の一つはやはりハイラックスの好調で、前年比約8%減となったものの、依然として年間約4万7,649台を売り上げた。

♦︎人気の秘密は?
 トヨタ ハイラックスがここまで市場に受け入れられているのは、タフさだけが理由ではない。近年では実用性に優れたクルマが求められており、とくにSUVとLCV(小型商用車)の需要が急激に伸びている。ファインダー誌はトヨタのオーストラリア部門CEOの発言を引き、ハイラックスがこの二つのエリアにまたがった特性を持っていると伝えている。これが支持の拡大につながったようだ。CEOのカラチャー氏は、「ハイラックスなどのクルマに対するこの(2017年の)急激な需要の増加は、SUV人気の延長と見ることができる」「車高が高めのこれらのクルマは、私たちを冒険に連れ出してくれると同時に、乗用車に近い機能性と乗り心地を備えている」と人気の理由を語る。アドベンチャーに最適な小型トラックという、幅広いシーンで活用できる位置づけが成功したようだ。

 さらには前述のとおり、耐久性も大きなセールスポイントになっている。オート・グル誌(2019年10月9日)は「信頼できる商用車としての評判」を成功要因の一つとして挙げる。ほかにも同誌は「現在オーストラリアで4WDが支持されていること」「多彩なバリエーション」「セールス網とサービス網の広さ」「リセールバリュー」「(ハイラックスが属するセグメントの)市場規模」などが人気の理由だと説明している。

 ファインダー誌も同様に、複数の特性を紹介している。信頼性のほか、パワフルなディーゼルエンジン、納得のランニングコスト、幅広いラインナップに、乗用車レベルの洗練されたインテリアなどが特長になっているという。商用にもファミリーにも使い勝手の良いピックアップトラックという性格を基本軸に、タフさやバリエーション展開など付加価値を充実させることで、4年連続セールス首位の座につながったようだ。

Text by 青葉やまと