「クリーンな中華料理」NYのレストランが閉店 白人オーナーが犯した失敗とは

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「クリーンな」中華料理という売り込みが差別的だと開店早々批判を浴び、大炎上したニューヨークのレストラン「ラッキー・リーズ(Lucky Lee’s)」が閉店した。オーナーが大手紙で釈明し営業を続けていたが、汚名返上はかなわなかった。同店が犯した、マーケティング上最もしてはいけないミスとは一体何だったのか。

◆中華料理を侮辱、セールストークに批判噴出
「ラッキー・リーズ」は、ニューヨークで今年4月に開店したアメリカン・チャイニーズ料理店だ。オーナーは白人で栄養士の資格も持つ、ウェルネス・ブロガーのアリエル・ハスペル氏で、健康的で「クリーンな」中華料理を提供するとしていた。

 同店のインスタグラムでは、アメリカの中華料理でよく出される「Lo Mein」という焼きそばの「脂っこくない、しょっぱくない」バージョンが紹介されていた。食後に「お腹が膨らんで油ぎった」感じがしないと書かれていたという。また同店は、うま味調味料のグルタミン酸ナトリウム(MSG)は使っていないとうたい、中華料理好きの人が気持ちよく食べられるメニューだとしていた(ウェブ誌『クオーツ』)。

 このようなハスペル氏の説明に対し、中国人と中華料理は不健康という、長年続く人種差別的寓話を助長している、という批判のコメントが各方面からあっという間に集まった。また、白人の同氏が、中華料理店にありがちな「リー」という名前を店名に選んだことも非難された。ハスペル氏は謝罪し、ソーシャルメディア上の物議を醸す言葉を削除。店名に関しては、夫のファースト・ネームを使ったと釈明している。ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューでは、文化的に敏感でなかったことを店として恥じていると述べた。

Text by 山川 真智子