エティハド航空、排出ガス削減のボーイング「グリーンライナー」就航へ

AP Photo / Jon Gambrell

 アブダビを代表する航空会社であるエティハド航空は18日、航空業界が進めている航空機運航時の環境面への影響と財政的負担を軽減する取り組みの一環として、世界で最も燃料効率の高い長距離旅客機の運航を開始すると発表した。

 エティハド航空の「グリーンライナー」は、2020年1月にアブダビからブリュッセルへ向かう路線に初就航するボーイング787ドリームライナーだ。同社の最高経営責任者であるトニー・ダグラス氏はこの航空機について、「航空業界全体に利益をもたらす空飛ぶ実験室」であると説明している。

 燃料コストは航空会社の支出のおよそ4分の1を占めている。同氏はグリーンライナー就航の目的について、エティハド航空が運航している他の航空機よりも燃料効率を20%向上させることとしている。

                                                                                                                 

 ドバイ航空ショーでボーイングの幹部と並んで構想を明らかにしたダグラス氏は、記者団に対して「これは単に事務的な形だけの取り組みではない」とコメントしている。

 エティハド航空とボーイングは、燃料消費を低減する技術の詳細については明らかにしなかったが、バイオ燃料のような新しい種類の燃料や、より軽量の素材の試験的採用に重点を置いた取り組みがこれまでに進められてきた。

 今年、エティハド航空は、海水で育つ植物から作られた持続可能なバイオ燃料を使って旅客機を飛ばすことに世界で初めて成功した。また、同社は、プラスチック汚染の影響に対する意識を高めるため、使い捨てのプラスチック容器を積載せずに飛行機を運航する中東で最初の航空会社となった。

 ダグラス氏は、「この航空機は、損益勘定の観点から経済的な意義があるのみならず、燃料の燃焼に伴う二酸化炭素の排出削減に直接的な効果をもたらす」とコメントしている。

 エティハド航空は、ヨーロッパからオーストラリアまで各地の航空会社の株式を積極的に購入する戦略を取ってきた。そのため、2016年以来の損失が47億5,000万ドルにまで膨らんでおり、深刻な経営の危機に晒されている。

 18日、ボーイングの競合であるエアバスは、空気抵抗の量を減らすために、ジェット旅客機2機が前後に連なって飛行することが可能かを確認するテストの開始を発表した。同社は、追従する航空機が先行する機の航跡に沿って飛行した場合、燃料消費量を1フライトあたり5~10%削減できると見積もっている。

 航空機が排出する二酸化炭素などの温室効果ガス排出量は、全世界でわずか2.5%というごく小さな割合を占めているに過ぎない。しかし、航空機を使った旅行や運輸は今後数年で急速に増加すると予測されている。また、自動車業界は、局所的な温室効果ガスの排出を削減するためバッテリー駆動の電気自動車への転換を進めているが、飛行機を電動化するには、はるかに複雑な技術的課題を解決する必要がある。

 ヨーロッパと北アメリカでは、二酸化炭素の排出量が多い空の旅を避けようする小さな運動が始まっており、その勢いは次第に強まっている。この傾向は、とくにスウェーデンにおいて顕著だ。スウェーデンでは、弱冠10代の環境保護論者であるグレタ・トゥーンベリ氏らが、航空機を利用することで生じる莫大な環境コストに立ち向かうよう旅行者たちに要求してきた。

 これに賛同を示す活動家のなかには、航空機の二酸化炭素排出量の多さを理由として「フライトシェイム(訳注:環境破壊につながる飛行機利用を恥と考え、批判すること)」を実践する旅行者もいる。つい最近、ヘンリー王子と妻のメーガン妃が今年の夏、気候変動に与える影響を意識したさらなる行動を人々に呼びかける一方で、自身のプライベートジェットに乗って旅行していたことで非難を浴びた。

 エティハド航空は、グリーンライナーを「ソーシャルメディアのスター」に育て、同社の世界規模での取り組みとその成果をよりいっそう浮き彫りにする予定だ。ボーイングとともにエティハド航空がグリーンライナーの運行から学ぶことは、「責任ある方法で業界を前進させることにつながり、広く共有される知識として活用されるだろう」とダグラス氏は期待を寄せている。

 同氏は16年に及ぶエティハド航空の運営について言及し、「我々もミレニアル世代であり、環境とサステナビリティの課題に真っ向から取り組んでいる、良識を備えたすべてのミレニアル世代の人々と足並みを揃えている」と語る。

 グリーンライナーは、エティハド航空の所有するドリームライナー航空機群のなかでは、温室効果ガスの排出を考慮した唯一無二の旅客機となる。同社は現在、787を36機保有しており、いずれ50機を就航させる予定だ。

「今日踏み出す一歩は小さなものだが、これからの旅路はとても長いものになる」とダグラス氏は語る。

By AYA BATRAWY Associated Press
Translated by ka28310 via Conyac

Text by AP