ホンダ・新型「フィット」、可愛くなって従来の良さも継承……英メディアの反応

Koji Sasahara / AP Photo

 ホンダが東京モーターショーで発表した新型フィット(欧州名ホンダ・ジャズ)は、全車ハイブリッドモデルのみという思い切ったラインナップで話題を呼んだ。同社が欧州で推進するEV化の基本戦略に則りつつ、従来フィットが得意としてきた快適性もそのまま残している。欧州では、その愛らしい新デザインも好評だ。

♦︎コンパクト初のe:HEVシステム
 このほど発表された新型フィットは、同社のコンパクトカーとしては初めてe:HEV(イーエイチイーブイ)を搭載する。これはモーター2基を含むハイブリッドシステムを指す名称で、環境への配慮と高い走行性を両立するために開発されたものだ。同システムについてホンダは詳細を公表していないものの、英オート・カー誌(10月23日)は、CR-Vが採用するものと似たシステムだと分析している。同モデルに搭載するデュアルモーター構成のハイブリッドシステムを小型化し、2.0リッターだったガソリンエンジンを1.0または1.5リッター型に置き換えることで、コンパクトなボディに適合させた。

 e:HEVの搭載については英オート・エクスプレス誌も、新型フィットの最大の特徴だと紹介している。同誌もオート・カー誌の記事と同様に、CR-Vに搭載のi-MMDと呼ばれるシステムに近いものだとの予想を立てている。この仮説が正しいとすれば、搭載のガソリンエンジンは通常時には直接駆動に関与することはなく、主に発電用として用いられる。電力はバッテリーに蓄積され、これにより電気モーターが駆動するという仕組みだ。より馬力を要する状況が検知された場合のみ、ガソリンエンジンからも固定ギアを介して動力が直接伝達される。ちなみにホンダは、欧州で販売する全車を2022年までに電動化するという野心的な計画を進めている。ジャズのハイブリッド化はこの戦略の一部というわけだ。

Text by 青葉やまと