米国で好調のスバル 累計1000万台、93ヶ月連続成長 実用重視で顧客の心掴む

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 今年9月、アメリカ国内におけるスバル車の累計販売台数が1000万台を突破した。近年急成長を遂げる同社は、ライバル社と差別化したユニークな戦略で、熱心なファン層を開拓している。現地での販売数は今年8月まで93ヶ月連続で前年同月比プラスとなるなど、アメリカ部門の事業は極めて好調だ。

◆実用本位のデザインで熱心な顧客集める
 自動車作りにまつわるスバル独自の方法論は、多くの熱心なファンを現地で獲得してきた。自動車情報サイトのカー・バズ誌(9月15日)は、「スバルはほかとは異なる、ときに風変わりともいえるクルマ作りのアプローチを採っており、熱心な中核購買層を通じて自動車製造事業を維持・拡大してきた」と述べており、思慮深い設計に基づいた実用本位のデザインを評価している。スバル独自の四輪駆動システムであるシンメトリカルAWDと、水平対向エンジンのボクサーはその好例だ。顧客を知りつくしたうえで他社とは違う道を歩む姿勢が販売数の増加につながったと同誌は見ている。

 顧客との良好な関係については、自動車情報サイトの『ジャロプニク』も注目している。同社を取り巻く環境に厳しい時期があったが、忠誠心の高い顧客により、同社はビジネスを維持することに成功したと同誌は捉えている。決してアメリカの最大手自動車企業というわけではないが、そのユニークな設計指針は現地で根強いファン層を育んでいるようだ。

Text by 青葉やまと