ロンドン地下33mで作った野菜が人気 防空壕跡に植物工場

Growing Underground

◆将来は、キュウリやイチゴ栽培
 LED菜園は水を循環しているため、栽培に使う水は少量で済む。「グローイング・アンダーグラウンド」では、土栽培よりも使用する水の量を70%抑えられるという。

 環境によく、味がよく、身近な所で購入でき、ロンドン初の地下農園ということで話題性が大きく、継続的にメディアで取り上げられている。8月には、BBCがバラード氏による同園の紹介ビデオを公開した。(ちなみに、こちらはCNNでの報道

 このビデオのなかで、バラード氏は「LED菜園で次に作れるのは、キュウリ、そしてイチゴなどの柔らかい果物でしょう。ジャガイモなどの根菜類は、屋外で育てた方がずっと効率的です」と語る。イギリスでは、政府が2040年までに食料自給率を2倍にする目標を掲げており、その点でも、同園のビジネスは先行例として高い評価を得ている。

バラード氏(左)とドリング氏(右)

 なお、屋上での菜園はロンドンでも広まっており、近いところでは(10月オープン予定)、太陽光利用型でLED照明補助も備えた約1200平方メートル(およそオリンピックの競泳用プールの大きさ)の農園が登場する(イブニンング・スタンダード紙)。

◆75分の農園見学ツアーも人気
「グローイング・アンダーグラウンド」では、スタッフが地下の農園を案内する見学ツアーを週2回開催している(14歳以下は参加不可)。木曜は18時から、土曜は17時からで、1回75分。価格は1人約4600~5100円だ。農園の野菜をお土産にできる。日によっては満員になることもあり、とても人気だ。申し込みはオンラインでできる。ロンドンを訪問したら、このユニークなツアーに参加してみるのも、エコロジカルなロンドンを体験できていいかもしれない。

写真:Zero Carbon Food ZCF/Growing Underground

Text by 岩澤 里美