空のジェンダー格差に変化? 女性パイロットが増加の兆し

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 パイロットといえば男性の職業と思われており、世界の民間航空会社では、女性パイロットはわずか5%ほどしかいない。しかし世界で空の旅の需要が拡大するなか、女性パイロット養成の必要性も指摘されている。男性パイロットが圧倒的に多い日本においても、女性の挑戦が期待される。

◆空のジェンダー格差深刻 女性パイロットはわずか
 ロイターはパイロットの世界はもっとも男女不平等だと述べる。パイロット歴31年のジュリー・レヴィー氏は、ブリティッシュエアウェイズ(BA)の機長を務めた後に今年引退した、女性パイロットの草分け的存在だ。女性ということで特別に見られ、「駐機は本当に大丈夫?」などとジョークを投げかけられることもしばしばだったという。航空業界においては、男性はパイロットとなり高給で長期雇用が約束され、女性は給料の安い客室乗務員という格差が長らく続いてきたとロイターは指摘している。

 企業向けフライト・コンシェルジュ・サービスを提供するYore Oysterの創業者、ジョーダン・ビショップ氏は、フォーブス誌に寄稿した記事のなかで、世界の航空会社の女性パイロットは5%ほどだと解説する。現役パイロットの多くが20世紀後半に生まれており、この時代に女性がパイロットという職業から締め出されていたことが原因だとしている。しかし若い世代が経験を積むにつれ状況は変化してきており、世界中のパイロット養成機関では、女性が増えつつあると同氏は述べる。アメリカ連邦航空局によれば、飛行機の操縦を学ぶ学生のうち、すでに12%が女子ということだ。

Text by 山川 真智子