グローバル人材にみる賢い休み方 ワークライフに対する考えを「アップデート」

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著:ジェレミー・サンプソン(ロバート・ウォルターズ・ジャパン代表取締役社長)

 今年度から有給取得が義務化されたが、これからの休み方を考える上ではグローバルスタンダードな「休み方」をいち早く実現させている人材の考え方やグローバル企業のカルチャーから学べることがあるのではないだろうか。

 厚生労働省が2016年までに実施した意識調査では、6割以上が有給取得に「ためらい」「ややためらい」を感じており、その理由は、「みんなに迷惑がかかると感じる」(72%)、「休んだ後が多忙になる」(47%)。次点に着けた「職場の雰囲気で取得しづらい」(32%)は2000年からの16年間で3ポイント下がっているが、先の2つはむしろ上がっている。多くの企業では仕事が属人的になっているとも言えそうだ。仕事の生産性や業務成果を部署・チームといった組織単位で管理するのではなく、個人努力に委ねてしまっている会社が多いのではないだろうか。

◆休むことで生産性を高める、戦略的な「休み方」
 当社(ロバート・ウォルターズ)が2019年3月に実施した調査で、外資系などで働く国際感覚の高い日本人会社員(グローバル人材)の有給取得率は、一般に比べて高いことが分かった。昨年の実績で、世界ランキングなどでボリュームゾーンとされる15日以上を4人に1人が取得できている。10日以上取得したという回答者を加えると、6割を超える。また「周囲が有給取得しないから」と周りの目が気になって休まなかったという理由は9%と少なく、これを理由に5日未満の取得に留まったのは回答者554人全体のうちわずか1%だった。

 「有給取得してよかったことは?」への回答では「気分転換」、「リフレッシュ」、「心と頭をリセット」、「オン・オフを切り替え」、「職場から離れた時間を持つ」、「仕事に意欲的に取り組める」といった前向きなキーワードが多数の回答者から挙がった。ここからも、休むことで生産性と生活の充実を両立させるといった戦略的な「休み方」が見えてくる。


Text by Jeremy Sampson