新型マツダ3の引き算の美学、まるでコンセプトカーがそのまま姿を現したよう
◆魂動と魁
マツダには、デザイン哲学がある。それは、クルマは単なる鉄の塊ではなく「命あるもの」だと考えることだ。そのための造形を追い求め続けるのがマツダのコンセプト「魂動~SOUL of MOTION〜」である。
もう一つのコンセプトが、「マツダ 魁」だ。魁という言葉は「頭領、首領」あるいは「他に先んじること」を意味する。エクステリアへの反映は、日本の美意識を体現し、より芸術的な次世代デザインをコンパクトハッチバックのフォルムに凝縮して、理想的なハッチバックを描くものであろう。
新型マツダ3によってデザインされる「マツダ 魁コンセプト」が世界初公開されたのは、東京モーターショー2017におけるコンセプトカー登場による。
このデザインの特徴は、「引き算の美学」という言葉で集約されている。プレスラインが極端に少なく、キャラクターラインを廃したことによってボディ側面にはほとんど見当たらない。それに変わってホイールアーチ部分に大胆な広い面積の曲面を型取っている。その効果はリフレクションの強調、つまり光の反射する動きが絶え間なく続くことが生命観の表現として感じ取れ、景色がボディに映しこまれることで色気さえも醸し出す。
デザイン要素を1台のクルマにこれでもかと詰め込まず極力そぎ落として、引くことによって新たに生まれる「余白の豊潤」を大事にすることが狙いだ。それによって次世代に向けての日本の美学を体現することに取り組み、精緻化と優しさをシンプルな造形美の中で両立している。