アマゾン、四半期純利益が30億ドル超え クラウドサービスが好調

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 アマゾンにはもう一つの明るいホリデーシーズンがあった。ネット通販、広告、クラウドコンピューティングといった主要事業の売り上げが伸びるなか、四半期純利益が初めて30億ドル(約3,300億円)を超えたのだ。

 しかし、同時に発表された19年1~3月期の売上高見通しがウォールストリートのアナリスト予想を下回ったため、1月31日の株式市場の時間外取引で株価が約5%下落した。

 アマゾン幹部は四半期見通しを控えめに設定した理由として、インドで新たに制定されたeコマースへの規制をあげ、それにより同国での売り上げに影響が及ぶ懸念があるとした。また、人員確保、倉庫建設その他の投資を行うため、今期の費用が増加する可能性もあるとコメントしている。

 最近、時価総額がマイクロソフトを上回りアメリカ最大の企業となったアマゾンは、2018年第4四半期の純利益が30億ドルだったとする決算を発表した。一株当たり利益(EPS)は6.04ドルとなり、ザックス・インベストメント・リサーチによると事前のアナリスト予想(5.55ドル)を上回った。

 売上高は前年同期比20%増の723億8,000万ドルで、こちらも事前予想を上回った。

 アメリカ・シアトルを拠点とする同社は、ネット通販以外の事業拡大を進めるなか、最近の四半期でみると増益が続いている。政府や企業にクラウドコンピューティングサービスを提供している「アマゾン ウェブ サービス(AWS)」部門の利益貢献が大きくなったことで、小売事業での費用増を相殺する形となった。クラウドサービスの四半期売上高は同45%増加した。

 アマゾンの広告部門は、自社製品をサイト上部に掲載してほしいと考える企業向けに広告を販売しており、数十億ドル規模の事業に育っている。広告事業の詳細な売上高は公表されていないが、同事業が大半を占めるとみられる「その他」部門の売り上げも前年比でほぼ倍増した。

 ホリデーシーズン期間中、プライム会員の申し込みが過去最多になったと同社はコメントしているが、正確な会員数は明らかにされなかった。プライム会員は年会費119ドル(訳注:日本のプライム会員年会費は3,900円)を払うと、無料の急送サービスのほか各種特典を受けられる。この会員制度は、消費者のロイヤリティを高める一つの手段となっている。

 アマゾンによると、最も販売が好調だった製品は、音声操作ができるスマートスピーカー「エコードット」だった。音声アシスタント「アレクサ」に対応し、アイスホッケーで使うパックのようなデザインを持つ同製品だが、販売台数は公表されていない。

 先月31日の会社声明でジェフ・ベゾス設立者兼CEOは、「アレクサについて言えば、とても忙しいホリデーシーズンだった」とコメントしている。

 食品スーパー「ホールフーズ」の買収や、国内でのレジなしコンビニエンスストアや書店の展開など、アマゾンは従来型店舗の分野へも積極的に進出している。しかし、実店舗での売上高は前年比3%減少した。

 減収の要因について、同社はネットで購入されたホールフーズの売り上げ分が含まれていないことのほか、ホールフーズ買収時の調整により、前年四半期の営業日数が5日多かったためとしている。修正後のホールフーズ売上高は同約6%増になるという。

By JOSEPH PISANI, AP Retail Writer
Translated by Conyac

Text by AP