ダイソン、なぜEV生産にシンガポールを選んだのか? 中国に勝る利点とは

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◆シンガポールの企業誘致の手腕
 シンガポールでは、今年2月に、クロレッツやトライデントなどの製品で日本でも馴染みのある世界第2位の菓子メーカー、モンデリーズも、製品や技術の開発拠点として、最先端の設備を備え、世界中から専門家が結集する「グローバル技術センター」をオープンさせている。

 現地のストレーツ・タイムズ紙によると、モンデリーズアジア太平洋・中東・アフリカのマウリッチオ・ブルサデリ社長は、シンガポールに開発拠点を置いた理由を、インフラが素晴らしいこと、政府機関が協力的であること、また官民の協力体制も整っており、イノベーションに最適であるため、と語ったという。

 ダイソンとシンガポール政府の間にどのようなインセンティブの取り決めがなされたか、明らかにしたメディアはないが、シンガポールの製造業発展のための企業誘致への努力が実を結んだ結果であると見て間違いはなさそうだ。

Text by Tamami Persson