アマゾン本社に6000匹の犬が「出社」 増えるペットOKの職場、認められる効果

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◆ペット同伴を猛プッシュするペット関連企業
 ペットフードメーカーのネスレピュリナは『Pet at Work』という啓蒙活動を世界的に行っている。ペットの社内での存在が企業そして人材の成長を促すことをアピールし、ペットフレンドリーな環境構築を企業に呼びかけている。ピュリナニュージーランドの本社では2001年からペット同伴の出社プログラムを導入している。

 同業のマースでもペットケア事業部で「ペットのためのより良い世界(A Better World for Pets)」というビジョンを掲げている。それを実現する施策の一つとして犬・猫と一緒に過ごすことのできるオフィスを強く推奨している。

◆科学的リサーチが証明する動物の力
 中央ミシガン大学では、犬がいる会社といない会社での社員の態度などについて研究が行われた。その結果、犬が1匹いるオフィスで働いている社員は協力的であり、コミュニケーションもとれ親しみやすいことがわかった(CNBC)。

 ニュージーランドでは2016年から被雇用者のストレスレベルが22.9%上昇している。ある調査では、被雇用者のうち63%がペット同伴での出勤を希望していることがわかった(NZBusiness Magazine)。

 マイアミで障害者独立支援団体の訴訟担当ディレクターを務める弁護士のディーツ夫妻は飼い犬とともに出勤している。ディーツ氏は訴訟などで疲れて会社に戻ったときに犬が喜んで出迎えてくれると心が穏やかになるとマイアミ・ヘラルド紙のインタビューに答えている。

 ストレスが心身の健康を大きく左右することは長年の研究機関の研究でも証明されている。仕事のストレスは世界でも問題視されているなか、社内に動物がいることで社員の心身健康が改善することが徐々に認知されてきている。動物の種類によっては、飼い主が近くにいないと分離不安症になることもわかっている。人と動物の共存から得られる精神健康や仕事への向上心、組織団結性などさまざまなメリットについて、企業が理解を示すことが期待されている。

Text by 安藤麻矢