オーガニック商品を低価格で 会員制ネットスーパー「Thrive Market」が開拓するニッチ市場

Thrive Market via AP

 創立して4年になるスライブマーケット(Thrive Market)は、会員制を敷き、自然食品やオーガニック食料品をオンライン販売している。そのスライブマーケットがコストコをモデルにし、ニッチな市場を相手に健康志向の商品だけの販売を開始し、成功を収めている。

 最高経営責任者のニック・グリーン氏は、2人の共同設立者であるグナー・ラブレス氏とサッシャ・シッダールタ氏と共に、中流階級のアメリカ人の購買者がもっと気軽に健康的な食品を手にすることに大きな商機を見つけた。多くの中流階級のアメリカ人は、ホールフーズの商品は高価過ぎると考えたり、ディスカウントストアの商品の種類が多過ぎて圧倒されたりしていたのである。

 スライブマーケットの会員は、59.95ドルの年会費を払う。すると、一般的な小売価格に比べて、25%から50%も安い価格で商品を購入することができる。スライブは、所得の低い家庭に対しては、年会費を無料としている。

                                                                                                                 

 33歳のグリーン氏は、社会的な使命を帯びた別のビジネスを既に成功させた経歴を持つ。ハーバード大学の学部生時代に、グリーン氏は、より手頃な価格で大学入試の準備ができるようにアイビーインサイダーを創立した。そして2010年には、レボリューションプレップがこのアイビーインサイダーを買収した。

 しかし、ロサンゼルスを拠点としたスライブは、前途多難なスタートを切ることとなった。当初、50以上のベンチャーキャピタルに出資を断られ、その後、コミュニティが抱える健康問題に造詣の深い150人以上のインフルエンサーたちから賛同を得て、ようやく850万ドルの資金を調達することができた。

 今ではおよそ6,000種類の商品を扱うスライブは、スナック菓子や毒性のない洗剤などの販売からスタートした。その後、倫理的な生産方法を遵守する業者が供給する新鮮な肉や海産食品の販売にも手を広げた。スライブはまた、オーガニックダイエットやパレオダイエット用の食品からグルテンフリー食品に至るまで、ダイエットを意識する購買者の力強い味方でもある。さらにスライブは、自社ブランド商品も開発し、エクストラバージンオリーブオイルや有機栽培の穀類を使ったフジッリなどを発売している。グリーン氏は、個々の商品の売上高に対するコメントを避けたが、スライブの年間売上高は数百万ドルの規模だといわれている。

 グリーン氏は、AP通信の取材に対し、スライブの着想、ビジネスモデル、さらに、アマゾンの脅威を恐れない理由を語った。なお、質問と回答は、簡潔に読み易くするため編集を行った。
 
Q: スライブを創業したきっかけは何ですか?

A: 当時、多くの人たちはホールフーズのような小売業者を信頼していたが、彼らは、大半の人々には手の届かない存在だった。すると、より多くのオーガニック食材を扱う従来型の小売業者が登場するようになった。オーガニック食品に興味を持ったばかりであれば、「さて、まずどこで食材を買えばよいものやら?」となる。当社は、そのような場合の選択肢を簡潔で単純なものにしたいと強く願った。価格を下げることも必要だったが、商品を選びやすく整理することも重要だった。そこで、40種類ものアーモンドバターをカタログに載せる代わりに、4種類に絞った。健康的な日々を過ごしたい中産階級のアメリカ人の購買層が抱える問題について、当社は本気で耳を傾けた。

Q: スライブのビジネスモデルはどのようなものですか?

A: 会員に60ドルの年会費の支払いをお願いしている。入会時と更新時の先払いだ。年会費を払うと、通年で当社のショッピングサイトにアクセスできるようになる。当社の価格は基本的に卸値であり、もし、会員がほんの少ししか商品を購入しなかったときは、年会費との差額を翌年に繰り越すことができる。当社のビジネスは会費から収益を上げている。当社にとっては、コストコがひとつの自然な試金石だ。

Q: 食品の最も大きなトレンドは何ですか?

A: 簡素であることと、原材料を少なくすることだ。当社では、常に原材料を少なくして食品を製造するよう心がけている。アーモンドバターを例にとってみよう。当社では、生態学的な災害をもたらしうるパームオイルの代わりに、アーモンドから抽出したナチュラルオイルを使用している。当社は、たった1つの材料しか使わないプライベートレーベルの製品をたくさん販売している。

Q: アマゾンがホールフーズを買収しましたが、脅威を感じませんでしたか?

A: 私は、アマゾンのビジネスの方法は、当社とは全然違うと思っている。そして、その方法はホールフーズの価値や水準をいくらか損なっているように思う。アマゾンは集中的な買い付けを実施し、最も革新性に富んだ、特に、誕生したばかりの多数の若いブランドを追いやってしまった。アマゾンは、健康的なライフスタイルを目指す人々ならたぶん欲しいと思わないような商品を販売し始めている。アマゾンは、これまでと異なるビジネス成長の機会を求めており、ホールフーズを主流に押し出すことになるだろう。当社の価値観に根ざした真実に基づく商品を販売することで、食品のあるべき主流の姿を当社に引き寄せるようにしたい。

Q: 次に進む方向を教えてください。

A: 今後1~3年の当社の大きな目標は、より完全なソリューションになりたいということだ。そのために、冷凍スムージー、冷凍食品、冷凍野菜、さらに冷凍デザートなど、冷凍製品の品揃えを充実させる予定だ。さらに、クリーンなワインの製造販売プログラムも始動させる。1ボトルあたり13~18ドルの価格設定とするつもりだ。

Q: 実店舗を持つ予定はありますか?

A: 当社は、実店舗での販売を行う可能性を探っている。そして実店舗を保有することは、アマゾンが仕掛けた買収劇から学ぶべき点だった。これからの食品販売がオムニチャネルであるべきだということを当社に思い起こさせてくれた。

By ANNE D’INNOCENZIO, AP Retail Writer
Translated by ka28310 via Conyac

Text by AP

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