世界都市活力ランキング:長期はサンフランシスコ、短期はハイデラバードが世界一

Photo by Omer Rana on Unsplash

 総合不動産サービスのJLLは、テクノロジーの変化に対応し、競争力を維持するための長期・短期の成功要素を備えた世界都市の要素を分析した年次レポート「2018年版シティ モメンタム インデックス」を発表した。

 本レポートは、世界131の都市を対象に、長期の市場モメンタム「フューチャープルーフィング(長期間にわたってモメンタムを維持する能力)」と短期の市場モメンタムを分析している。なお、長期モメンタムは、イノベーション能力、人材、世界トップクラスの高等教育、高度なテクノロジー産業のスタートアップ企業やスケールアップ企業、特許出願数、公共インフラ、環境質などを基盤とした成長能力を評価し、短期モメンタムは、各都市の短期の社会・経済および商業用不動産モメンタムから分析している。

◆長期モメンタム「フューチャープルーフィング」世界上位30都市:東京は13位

                                                                                                                 

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 北米地域は、世界で最もダイナミックな情報のエコシステムを抱えており、フューチャープルーフィング上位30都市において北米地域の都市が半数を占めている。サンフランシスコ(1位)とシリコンバレー(2位)は、世界トップのテクノロジーハブとしてランキングされており、過去15年間に世界で設立されたテクノロジー産業のユニコーン企業の三分の一以上の本拠地があるだけではなく、スタートアップ企業数も最大となっている。

 一方、欧州の都市も、ロンドン(4位)、パリ(7位)、アムステルダム(8位)がフューチャープルーフィング上位30都市にランキングされており、知識集約型雇用、インフラ、デジタル・インフラや持続可能性に関する資質の高さに支えられている。

 アジア太平洋地域では、世界との接続性が高く、付加価値の高い経済活動へ移行している透明度の高い都市が、新しいデジタル経済環境で継続的に繁栄するために必要なイノベーションのエコシステムや人的資本の蓄積に向けて進展をみせている。北アジアで最大規模の都市圏である東京(13位)とソウル(28位)は、革新的なグローバル企業の集積と世界最高水準のデジタル・コネクティビティを有し、とりわけハードウェアとロボット工学の分野における世界の研究都市としての地位が維持されている。さらに、ソウルにおける板橋(パンギョ)テクノバレーや、東京における2020年夏季オリンピック大会に備えた公共交通機関の自動走行システム開発といった大規模なインフラプロジェクトへの投資なども、フューチャープルーフィングを支えている。

◆短期モメンタム上位30都市:アジア太平洋地域が大半を占める

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 短期モメンタムのランキングでは、現在最も急成長している経済と不動産市場を有する都市が特定された。アジア太平洋地域の都市は、外国資本、企業、イノベーションの誘致を積極的に展開し続けており、上位30都市に25都市が含まれている。

 インドの都市は、短期モメンタムのランキングにおける存在感が突出しており、有力テクノロジーハブであるハイデラバード(1位)とバンガロール(2位)が上位2位を占め、プネー(4位)とコルカタ(5位)も5位以内に食い込んでいる。

 中国の都市の短期モメンタムは依然堅調であり、上位30都市に11都市が含まれている。世界の生産ネットワークや国内の経済成長エンジンに組み込まれ、グローバル・バリューチェーン内の位置付け上昇に支えられた南京(7位)や杭州(9位)が最も好調で、力強い人材基盤を有し、テクノロジーや先端設備を備えた製造分野のグローバルリーダーとなりつつある広州(16位)や深セン(19位)、上海(15位)、北京(22位)もダイナミックな市場で有り続けている。

Text by 酒田 宗一

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