人財競争力ランキング2018:20位の日本、活用・維持は得意もアピールに課題

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 人財サービス会社のアデコグループ、インシアード(INSEAD)、タタ・コミュニケーションズは、世界119ヶ国および90都市の「人財を獲得、育成、維持する能力」を調査しランク付けした年次報告書の最新版、「Global Talent Competitiveness Index(GTCI*:人財競争力に関する国際調査)2018」を発表した。

◆国別ランキング トップ10:小規模高所得経済圏が多くランクイン
1位:スイス           
2位:シンガポール      
3位:米国    
4位:ノルウェー      
5位:スウェーデン       
6位:フィンランド    
7位:デンマーク
8位:英国    
9位:オランダ        
10位:ルクセンブルク
[20位:東京(日本)]  

 昨年よりやや数が減ったものの、GTCIにおける国別ランキングの上位は、依然として欧州の国々が優勢だった。20ヶ国のうち、欧州圏外でランクインしたのは、シンガポール(2位)、米国(3位)、オーストラリア(11位)、ニュージーランド(12位)、カナダ(15位)、アラブ首長国連邦/UAE(17位)、日本(20位)の7ヶ国のみだった。

 また、昨年と同じく、国別ランキング上位には、多くの小規模な高所得経済圏の国々が入っており、その多くは、スイス(1位)、シンガポール(2位)、ルクセンブルク(10位)、アイスランド(14位)、オーストリア(18位)といった、内陸・島嶼・陸繋島の国だった。そのような国では、比較的オープンな社会経済的政策が発達しており、人財の育成と管理がプライオリティの中心に置かれていた。北欧の各国もすべてトップ20位以内にランクインした。

                                                                                                                 

◆日本は人材の活用と維持は得意だが、海外からの魅力は弱い
 日本の順位は、119ヶ国中20位だった。規制の整備や市場およびビジネス環境が評価され、指標のひとつである「Enable(活用)」に関しては7位と上位にランクインした。また、日本で育成された人財がどれほど日本国内に留まり、経済に貢献しているかを測る指標である「Retain(維持)」に関しても、20位と比較的上位につけた。しかし、その国がどれほど人財を惹きつけているかを測る「Attract(魅力)」は54位と、全体における順位を下げる要因となった。

「Attract(魅力)」を改善するためには、国外からの直接投資を積極的に受け入れ、人財や企業が日本の市場に参入しやすくなるような対外開放性を拡大するとともに、多様性を高めていく必要があると、本調査は指摘している。また、「Attract(魅力)」を構成する評価指標のうち、特に「男女の平等」に関する項目の評価が低かったことから、政府および企業はこれまで以上に賃金格差の是正や女性の労働市場参入の促進に取り組む必要があるだろう。

 アデコグループCEOであるアラン・ドゥアズ氏は、今回の調査結果に関して次のようにコメントをしている。「ダイバーシティとインクルージョンにフォーカスすることは、現代における分裂と不平等を克服するために不可欠です。それにはまず家庭や学校といった場からインクルージョンの文化を育て、バイアスと戦い、社会的および他者と協力して働くスキルを開発することが必要です。そうすることで働くひとたちは本来の力を発揮することができ、それが未来へと繋がっていくのです」

「GTCI 2018」都市別ランキング トップ10
1位:チューリッヒ(スイス)
2位:ストックホルム(スウェーデン)
3位:オスロ(ノルウェー)
4位:コペンハーゲン(デンマーク)
5位:ヘルシンキ(フィンランド)
6位:ワシントンD.C(米国)
7位:ダブリン(アイルランド)
8位:サンフランシスコ(米国)
9位:パリ(フランス)
10位:ブリュッセル(ベルギー)
[12位:東京(日本)]

*GTCI:国や都市における人財を獲得・育成・維持する能力に関して、6つの指標(Enable/活用、Attract/魅力、Grow/育成、Retain/維持、Vocational and Technical Skill/労働・職業能力、Global Knowledge Skill/グローバルナレッジスキル)をベンチマークとして用いて測定する調査。

Text by 酒田 宗一

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