運転手付き高級車の世界とは? ショーファードリブンという贅沢
ドイツ勢のショーファードリブンの代表と言えばメルセデス・マイバッハだ。現行モデルからメルセデスベンツSクラスの上級仕様という位置づけになって、そのプレミアム感に陰りを見せているが、2016年9月より受注を開始し、納期まで最短でも12ヶ月という「マイバッハS600プルマン」は別格といえるだろう。
このプルマンとは、1960年代に登場したメルセデスベンツW100型600というモデルのロングホイールベース・リムジンの由緒あるネーミングだ。メルセデスベンツが、マイバッハを最高級車として昇華させているのは間違いない。
スペックを確認すると全長は6,500mm。ホイールベースは4,418mm。全長はSクラスマイバッハより1,000mmも長いというのだから驚きだ。後席は対面4座式。つまり、運転席がある前席を含めると3列シートレイアウトを採用する。後ろ向きになっている中席は秘書などが座り、最後席に座る社長などと移動中も打ち合わせができるようになっている。
BMWの7シリーズにはLiというロングホイールベースモデルが存在。
後席にセパレート式シートやIndividualなどオーダーメイドで内外装などを仕上げるプログラムを施すなどショーファードリブン的なグレードもある。BMWというクルマのキャラクターから、ドライバーズカーとショーファードリブンの「いいとこ取り」のクルマだろう。
国産ショーファードリブンいえばトヨタ・センチュリー。東京モーターショー2017で3代目のコンセプトモデルが発表された。従来の国産唯一のV型12気筒エンジンからV型8気筒ハイブリッドへと変更され、時代に即した進化を遂げている。
近年はセダン=ショーファードリブンという定義が変化をし始めている。それは現行型トヨタ・アルファード/ヴェルファイアのエグゼクティブラウンジというグレードの存在だ。
Lサイズミニバンという、その広いユーティリティスペースはストレッチリムジンを凌ぐ空間を確保し、このエグゼクティブラウンジの2列目シートには豪華なキャプテンシートを2脚設定。オットマンなどまさに高級ソファーのような2列目シートは、3列目シート位置付近までスライドすることが可能で広大な足元スペースを確保している。
トヨタの豊田章夫社長が移動車としてもアルファードを使用していることからも、国産ショーファードリブンの一台といえる存在になっている。
クルマのシートは多忙な人ほど、ひとりになれる少ない時間を提供してくれる空間だ。例え短い移動時間であっても、その時間をくつろぎや思索の時間として使いたい人にとってはショーファードリブンはまさにぴったりの1台なのであろう。
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