海外の人に好印象の日本車名 逆に赤面・笑ってしまうものあれこれ

aapsky / Shutterstock.com

 たいていの車種名は日本語ではクールで耳触りが良い。しかし、ひとたび北米やヨーロッパ市場に輸出されると、現地の反応は様々だ。フォーブス誌では自動車ライターのピーター・リオン氏が、優れたネーミングを列挙している。レクサス(Lexus)は高級感のある響き、シビック(Civic)は大衆向けのイメージが明確で親しみやすいほか、後ろから読んでもCivicになっていると紹介する。一方で、現地の人々が思わず首をひねるような、おかしな名前もあるようだ。

◆なぜわざわざ……?
 フォーブス誌が挙げるのは、赤ちゃんをさらう野犬種を意味する三菱ディンゴ(Dingo)、日本語の風雅から来ているがイタリアでは「逃げる」を意味し、英語話者には腐ったキノコのようなイメージを抱かせる日産フーガ(Fuga)、そして絶滅危惧種の羊を意味し、その名の通り消えてしまったいすゞのビッグホーン(Bighorn)などだ。三菱レグナム(Legnum)も足の痺れであるnumb legを想起させ印象が良くないようだ。

                                                                                                                 

 英サン紙では、悪いイメージとまではいかないものの、三菱ミニカ レタス(Lettuce)から、平凡で退屈な野菜のイメージが漂うとしている。イメージ戦略の一端を担う車名だが、英語話者が抱く印象はかなり異なる場合があるようだ。

◆車らしくない名前
 意味は通じるものの、車の名前としてはあまり適していないものもある。サン紙は、ホンダのザッツ(That’s)が未完成の文のようだとしている。他にもいすゞのミュー(Mu; Mysterious Utility Wizard)は何がミステリアスなのか不明、マツダのスクラムワゴン(Scrum Wagon)はラグビーを連想させるという。ホンダのライフ ダンク(Life Dunk)はバスケットボールのダンクシュートを意図しているのだろうが、優れた名前ではないとしている。Dunkには液体に浸る、水に突っ込むという意味があるからだろう。

 他にも、イギリスのオート・カー誌は、日産グロリア(Gloria)が同名のテレビ司会者を想起、マツダのボンゴ フレンディ(Bongo Friendee)が楽器のボンゴを連想させるとする。ダイハツのアプローズ(Applause)がヨーロッパ市場でも販売されていたことに触れている米中古車情報サイト『オート・トレーダー』の記事では、拍手や賞賛を意味するアプローズは肯定的で良いネーミングなのではと思いきや、ナンセンスなネーミングに厳しいイギリスでも売られていたことが信じられないという調子だ。

◆うっかり下品に
 言葉の壁という落とし穴にはまり、意図せず下品な意味を持ってしまった車種もある。フォーブス誌はダイハツのネイキッド(Naked)を、日本語で「全裸」という車を発売するようなものだと表現する。さらに前掲のいすゞビッグホーンもクスクス笑いを誘うとしているが、これはbig hornが大きな男性器を連想させるためだろうか。また、世界中に話者の多いスペイン語で、思わず眉をひそめる意味になってしまうものもあるようだ。マツダのラピュタ(Laputa)はスペイン語で夜の商売の女性(La puta)を意味し、三菱パジェロ(Pajero)に至っては記事に直接書けないほどの意味を持つという。パジェロはヨーロッパではShogunと名を改めて発売されたとのことだ。

 サン紙もいくつかの下品なネーミングに触れている。フォードがマツダと共同開発したプローブ(Probe)は、棒を持ったエイリアンを想起させるという。英語圏では、エイリアンが地球人を拉致し、お尻に棒を差し込んで検査(Probe)するというジョークがあるようだ。「この車の名前を言うとき、クスクス笑いを堪えるのは難しい」という。マツダ・タイタンのダンプ(Titan Dump)も、Titanは巨人、Dumpは排便するという意味があるため、あまり良い印象にはならないらしい。

 フォーブス誌では成功したネーミングの一つとして、スリーレターのパターンを挙げている。ホンダNSX、日産GT-R、スバルWRX、マツダRX-7などは、覚えやすく発音もしやすいそうだ。不用意な勘違いを避けたければ、略語にしてしまうというのも一つの有効な戦略かもしれない。

Text by 青葉やまと

Recommends