「ギグ・エコノミー」が繁栄へ より多くの高度人材が柔軟な働き方を選択

Photo by Muhammad Raufan Yusup

 人財サービス会社のアデコグループと、LinkedInが共同で実施したグローバル調査「フレキシブル・ワーク:ワークライフ・バランスの充実」が発表された。この調査結果は、人々が仕事をするうえで、柔軟な働き方が一時的なものではなく継続的な働き方として選ばれ、社会が新たな経済時代を迎えていることを示唆している。

 高度なスキルを持つ労働者たちの多くは、長期的なキャリアとして従来のいわゆる9時-5時の仕事ではなく、ライフスタイルを重視した柔軟な働き方(フレキシブル・ワーク)を選択し、ギグ・エコノミーを歓迎しているという。なお、ギグ・エコノミーは、終身雇用とは異なる「ギグ(単発または短期の仕事)」の仕事をベースとする働き方や、それによって成立する経済形態を指している。

 また、フリーランスとして働く人々の54%が、自身の目的やゴールを達成するため、積極的にフレキシブル・ワークを選んでいる。一方、36%は、継続的な雇用を得るまでの一時的な選択であると回答した。

 現在、米国と欧州では、1500万人が非正社員として働いている。LinkedInは、「彼らの多くは高度なスキルを持っており、彼らはギグ・エコノミーの中で自身のキャリアを形成することを望み、その理由の中にはより良好なワークライフ・バランスを実現することが含まれている」としている。これらのフリーランサーのリンクトインのプロフィールを見ると、91%がキャリアの中盤、もしくは後半をむかえていることがわかるという。

 また、アデコグループの独自調査では、18歳から26歳の回答者の82%が、個人事業主やフリーランスといった独立した事業主として働きたいと回答し、そのうちの89%が、そのような働き方を長期的なキャリアとして考えていると回答した

 アデコグループCEOのアラン・ドゥアズ氏は、次のようにコメントをしている。

 「フレキシブル・ワークは、急速に変化する現在の雇用・労働市場において、非常に大きな機会です。ギグ・エコノミーは、人財派遣市場の規模を現在の3倍にする可能性を秘めています。ただ、フレキシブル・ワーカーを支援するためには、より公平な法制度や社会保障、そして訓練の機会が必要であり、政策レベルで行わなければいけないことが非常に多くあります。フレキシブル・ワーカーは未来の働き方を形作る存在です。われわれはこれまでの考え方を改め、フレキシブルな働き方を阻んでいる障害を取り除き、彼らが働きやすい環境を整えるべきです」

Text by 酒田 宗一