ボランティア文化は職場環境を良くし、従業員のキャリア形成にも役立つ デロイト調査

Tetiana Yurchenko/shutterstock.com

 企業にボランティア文化が生まれることには様々なメリットが存在する。ボランティア文化の創造は職場の士気、雰囲気、ブランドの好感度に良き影響を与える。またボランティアの実践は、従業員の昇進や新技術の習得にもつながることもある。だが雇用者と従業員のどちらもが存分にそのメリットを活かしきれてはいないようだ。

◆職場のボランティア要請に応えられぬ雇用者
 世界最大の会計事務所「デロイトトウシュトーマツ」がアメリカ人の労働者を対象に実施した「2017年ボランティア・インパクト調査」によると、89%のアメリカ人労働者がボランティア活動を支援する会社はより快適な職場環境を提供してくれるものだと思っている。さらに70%の回答者が、ボランティア活動は会社が設けるハッピーアワーよりも従業員の士気を高めてくれるものだと答えている。そして77%の者が従業員の幸福にとってボランティア活動は不可欠だと述べている。

 しかし雇用者にはこうした従業員の声は届いていないようだ。回答者のうちたった38%だけが、会社がボランティア活動を支援してくれると答えている。従業員の声にあるように、ボランティア活動は職場環境の改善にとって大きな効果を発揮しそうにもかかわらず、それを支えるだけのサポート体制を提供できている会社はまだまだ少ないようだ。

◆キャリア形成としてのボランティア活動
 デトロイトトウシュトーマツのコーポレートシチズンシップのマネージングディレクター、Doug Marshall氏は「多くの従業員はボランティアの価値を理解し、積極的である一方で、そのメリットを活かしきれていない」と述べている。というのも従業員はボランティアが自身のキャリアまでにも影響力を持つということに気づいていないのだ。

 去年の調査によると、採用に影響力を持つ者の80%が積極的にボランティアを行なう者は、リーダーシップの役割により早く順応するだろうと考えている。しかし、従業員はボランティア活動にそこまでの重要性を見いだせていない。

 今年の調査では、18%のアメリカ人労働者のみがボランティア活動はキャリアアップの機会を増やすと信じており、36%のみしか新しいスキルを獲得できるものと思っていない。従業員をよりボランティア活動にコミットさせるためには、ボランティア活動とキャリアアップの関連性を意識させることが必要であるだろう。

 Doug Marshall氏は今後のビジネスでは「ボランティアをいかに良く企業文化に順応させるかが問われている」と述べている。また「ボランティアは従業員の人間的成長とキャリアアップを支え、幸福感を増してくれる一方で、ビジネス、専門家、コミュニティが利益を享受できる有力な解決策である。」とも指摘している。ボランティアの価値は今後のビジネスにおいてますます高まっていく中で、雇用者、従業員の双方にボランティアの重要性を喚起していくことが必要なのではなかろうか。

Text by Yota Ozawa

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