日本の商品デザインに脚光、世界最大級の消費財見本市「アンビエンテ」 今年のトレンドは?
毎年2月にドイツ、フランクフルトのメッセで開催される「アンビエンテ」は世界最大級の国際消費財見本市だ。この分野における最も重要な見本市のひとつとして位置づけられている。今年も10日から14日まで開催された。
日本からも多数の参加があり、経済産業省の支援を得て、一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会が11業者の商品を紹介し「ものづくり日本」をアピールしたほか、京セラなどの大手企業も参加。最もハイエンドでおしゃれなLivingエリアにはJETROが6年連続でジャパン・パビリオンを出展。クール・ジャパンぶりは健在だ。
◆いつも人気の日本商品
筆者も以前、通訳として日本の企業・デザイナーに同行したことがある。インテリア、キッチンウェア、照明、モード、雑貨とジャンルを問わず、シンプルでミニマル、機能的で未来的な日本のデザインは開催国ドイツをはじめ世界的にも人気らしく、広大な会場の中で最も人通りの多いメインホールに集められていた。
◆「トレンド2017」
今回のアンビエンテでは「トレンド2017」と銘打ち、今後の商品化に役立つように、デザインの世界的な傾向と今後の予想が特別展示された。この特別展示では、日本のKINTO社の商品も選ばれ、ボウルやプレート、キャニスターなどが紹介されたほか、日本人デザイナーの名前も見られた。
トレンド2017によると、今年のトレンド予想のキーワードは、delicate structure 「繊細なストラクチャー」、 honest materials「信頼できる素材」、jumbled pattern 「ごちゃごちゃした模様」、notable shapes「顕著な形」の4つ。以下に紹介する。
◆4つのキーワード
・delicate structure 「繊細なストラクチャー」
フィリグリー(線条・すかし細工)のストラクチャーとテクスチャーは自然からインスパイアされたもの。画期的な手法により上品で快適な表面が生じる。展示では実際に触れ、感覚に訴える感触を楽しむことができる。
・honest materials「信頼できる素材」
デザイン性のある高品質の手工業芸術が伝統に息を吹き込む。従来の素材を慎重に扱うことにより、控えめかつ長持ちする、地に足のついた商品を生み出す。KINTO社の商品がこのコーナーで紹介された。
・jumbled pattern 「ごちゃごちゃした模様」
子供らしい気軽さへのオマージュ、ファンタジーへの招待。自然な感じでばらばらな模様とモチーフは、気まぐれを懐かしいと同時に斬新なものにする。ヨーロッパ有数のテキスタイルメーカー、Kvadratのデザイナーの皆川明氏が紹介されている。
・notable shapes「顕著な形」
力強いシルエットで縁取られた、はっきりして特徴のあるインテリアデザイン。クラシックなデザインを新しくする、モノリシック(「一枚板の」「統制された」「画一的な」などの意味で、IT業界などで使われる)で、このうえなく簡潔なシェイプ。デザイナーの三宅有洋氏が紹介されている。
少し気が早いが、2018年のアンビエンテは2月9日金曜日 から13日火曜日までの 5日間開催。