2017年若者意識調査 世界の若者はキャリアの成功に前向きで苦労を厭わない

 シティが2017年の世界の若者意識調査の結果を発表した。調査は東京を含む、世界32カ国45都市の18歳から24歳まで7,000人の若者を対象に、2016年11月から2017年1月に行われた。

 調査の結果、2017年の世界の若者の意識として、キャリアの成功に対して前向きで苦労を厭わない姿が見えてきた。以下が主な調査結果だ。

・世界の若者の70%は、将来のキャリアに楽観的
・就労中の世界の若者の55%は、現在の仕事は自分の希望とは異なる
・世界の若者の75%は、キャリアの成功のためであれば、長時間労働やリスクを厭わない
・世界の若者の70%近くが起業を夢見ているが、実際に起業をした若者は6%

 こうした世界の若者に比べ、東京の若者は将来に悲観的なようだ。キャリアや仕事で成功するためのチャンスが豊富にあると答えた割合は、45都市中44位だった。また、教育を受ける機会が親世代より良くなったと答えた割合は、全都市中最下位だった。一方で、起業後の成功に対しては全ての都市の中で最も楽観的であったが、そもそも起業を夢見ている若者が最も少ないという結果になった。

 東京の若者の親世代は、所謂バブル世代に当たるケースが多く、親世代と比べることで悲観的な傾向が出ているのかもしれない。また、アントレプレナーシップを抱いている若者が少ないことは、チャレンジや苦労を厭わない世界の若者と競争する上で心配な点だが、東京の若者が起業後の成功に楽観的なことは、もしかすると他の国と比べ競争が少なく、起業する若者にとっては比較的楽な気持ちで起業できることの表れなのかもしれない。

photo by Oliver Cole

Text by 酒田 宗一