ホンダの新燃料電池車、海外で好評価 トヨタ「ミライ」、テスラEVとの比較も
ホンダはデトロイトで開催されている北米モーターショーにおいて、水素で走る燃料電池車である「FCV Concept」を発表した。
ホンダは、去年12月にFCV「ミライ」を発表したトヨタを追いかける形となったが、新FCVに対する海外の反応はどうだろうか。
◆ホンダとトヨタ、どっちがいい?
Fox Newsは「ホンダとトヨタ、どちらの水素燃料車がいい?」と題する記事で、両社のFCVを写真入りで紹介している。
どちらのFCVも、約3分間の水素充填で約300マイル走行可能、と同メディアは指摘している。テスラに代表されるような電気自動車が、265マイル走行するために充電に1時間以上かかるのと対照的である。
トヨタを追い越そうと、ホンダは燃料電池スタックを含めたパワートレインを車両のボンネットの下に収めた、と英デイリー・テレグラフは報道している。ホンダの「FCX Clarity」の後続モデルとなる「FCV Concept」の燃料電池スタックは、従来型より小型化されたにもかかわらず、出力は従来比で約60%向上した。
新FCVは、「FCX Clarity」ほど美しくはないが、さらにクリーンに走行することができ、車内はもっと広くなった、と同紙は評価している。トヨタの「ミライ」が4人乗りであるのに対し、ホンダの新FCVは5人乗りである。ホンダのFCVの車体は流線型で、ゆったりと足が伸ばせる後部座席を備え、まるで未来の大型セダンのよう、とニューヨーク・タイムズ(NYT)は好評価だ。
◆電気自動車との競争
ホンダやトヨタによるFCVが注目を集める一方、コストの高さと水素ステーションの不足がFCVの普及を妨げている、とLAタイムズは指摘している。
充電スタンドがアメリカ中にあるのに対し、水素ステーションは、南カリフォルニアを例外として、ほとんど存在していない。代替エネルギー施設の建設を支援している同州には、2016年までに50店近くの水素ステーションが完成する予定である、とNYTは報道している。
ホンダは、アメリカ全土に100店の水素ステーションが建設されたなら、水素充填の必要の半分を満たせると予測している、と同紙は指摘している。
ホンダは新FCVの値段を明らかにしていないが、トヨタの「ミライ」は6万ドル近くし、庶民の手にはまだまだ届かないようである。
◆SF映画みたい
トヨタとホンダのFCVは、非常に未来的なエアロダイナミックなデザインであり、SF映画から抜け出てきたよう、とFoxは報じている。同メディアには下記の様な声が寄せられた。
・ほとんどのアメリカ人は普通のガソリン車を買うのがやっとだ。FCVはとても高いし、水素燃料も高い。
・トヨタとホンダのデザイナーはゴジラ映画を観すぎじゃない。
・ホンダはどうして車両にフェンダースカートをつけたがるのだろう。ホンダが大好きだけど、このスカートはすごく不細工だ。
ホンダのFCVは、日本で2016年3月に、アメリカでは2016年末までに発売予定である。