“クール!” ソニーの電子ペーパー腕時計、海外で話題 電池の持ちには苦言も…
ソニーのCEO平井一夫氏によって新設された部門から生み出された、電子ペーパーを使った新しいタイプの時計「FES(Fashion Entertainments)Watch」が海外でも話題になっている。今までのウエアラブル端末と違って、機能性よりもデザイン性・ファッション性に重きをおいた製品だが、電池が60日しかもたないということもあって、海外のメディアには否定的な意見も寄せられている。
◆電子ペーパーをファッション・アイテムに
28日のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が、このソニーの新しい時計の詳細を伝えている。
ソニーは、CEOの平井一夫氏の主導の下、新しい製品やビジネスのアイデアを生み出すよう社員を支援し、資金的なサポートや助言などを提供している。この時計もその一環として生み出された(WSJ)。
開発チームは、「この製品の真価、つまり我々の(電子ペーパー腕時計という)コンセプトの需要があるのかどうかを確かめるために」ソニーという名前を伏せて、オンラインのクラウド・ファンディングで支援者を募ったが、3週間で目標額の200万円を調達し、すでに150人のサポーターから350万円を集めている(WSJ)。
チームによれば、このプロジェクトのコンセプトは、「電子ペーパーをファブリックとして再定義すること」(WSJ)であり、今後開発を予定しているのは、蝶ネクタイや帽子のアクセサリーなど、最先端の技術を駆使したガジェット製品ではなく、最先端の技術を取り入れたファッション・アイテムとなるという。
◆スマートウォッチより幅広くアピール
そのことをより詳しく伝えているのが、同じく11月28日付のフォーブスだ。
さまざまな装備の付いたスマートウォッチよりもむしろ時計に近いもので、コンピュータ技術者の興味を引くような製品ではないが、「アンドロイド・ウエア」や「Apple Watch」よりはもっと幅広い層にアピールできるのではないかと見ている。
フォーブスでは、今回の試作品のようなモノクロの電子ペーパーの製品ではなく、カラーの電子ペーパーを使ったもの、そしてサムスンやLGなどの競合企業も参戦し、ゆくゆくは有機ELを文字盤やバンドに用いた時計が開発されるのでは、と見ている。
◆「クール!」「2ヶ月おきに電池変えなんて」と賛否両論
イギリスのデイリー・メールがこのニュースを伝えると、さっそく賛否両論の意見が寄せられた。
賛成の声は「すごくいい、1つ買わなきゃ。ソニーは本当にクールなブランドだね」と、デザインのクールさを評価する一方、電池が60日しかもたないということもあって(フォーブスによれば開発者は改善を目指している)、「引き出しにしまわれる運命の時計。正常な精神をもった人の誰が2ヶ月おきに電池を買ったりするだろうか」との厳しい意見も。
クラウド・ファンディングでこのプロジェクトを支援している人は先行予約ができ、2015年5月には発送が予定されているようだが、それまでに実用性での改善が望まれるかもしれない。