楽天、「エンタメ×買い物」で世界のライバルと差別化へ? 苦戦予想する海外メディアも

 楽天は22日、イギリスでeコマースを開始した。開設されたのは、Rakuten.co.uk。日本国内での楽天ショッピングサイトには42000もの小売業者が出店し、9300万人が利用している。しかし、イギリスでは、数百の小売業者しか集まっておらず、楽天の知名度は低い。今後、楽天がAmazonやアリババといったeコマースの強豪とどのように対峙してゆくのか、海外メディアも注目している。

◆世界進出への準備
 近年、楽天は海外のeコマース企業を次々に買収している。イギリスのPlay.com、フランスのPriceMinister、ドイツのTradoria、アメリカのBuy.comなどが挙げられる。さらにeブックのKobo、スペインのビデオ・ストリーミングのWuaki、メッセージアプリのViber、キャッシュバックサイト大手のEbatesといった特定分野の企業も買収している。これにより、各国の市場に入りこみ、世界に進出する準備をしていたのではないかと『TechCrunch』は伝えている。

◆世界で生き抜くための戦略とは?
 楽天がAmazonやアリババと競合していくためには、よりよい商品やサービスを提供する必要があるだけでなく、使いやすさを重視する必要があるという識者の見解をフィナンシャル・タイムズ紙は掲載している。

 楽天も独自のサービスを打ち出し、小売業者の獲得に力を入れている。その一つが、「eコマース・コンサルタント・サービス」だ。これは、出店する小売業者に対してコンサルティングを行うサービスである。出店者は楽天プラットフォームについて深い知識を獲得でき、さらにツールの利用法を学べるので、成功のチャンスが広がるという。

 さらに楽天は、小売業者がネット上でさまざまな方法で事業を広げることを推進しており、今までにない市場を構築することを目標としている。そのテーマが買い物とエンターテイメントの融合だ。ファッションサイト「FASHIONISTA」は、今月初めに楽天がアメリカでファッション専門のウェブサイト「楽天Fashion」を開設したことを報道。その中で、膨大な商品説明を行うAmazonとは異なり、ブログや著名人のキュレーションを掲載し、楽しみながら買い物ができるようにしている、という楽天のコメントを掲載している。

 一方で同サイトは、楽天Fashionがアメリカに進出したことについては歓迎するが、ユーザー達は、お気に入りのeコマースから離れることはないと思われる、と分析し、楽天が苦戦を強いられるという見解を示している。

楽天流 [amazon]

Text by NewSphere 編集部