好調ユニクロ、赤字の米国で“100店”出店目指す 大胆な戦略に海外メディア注目

 ファーストリテイリングは9日、2014年8月期の業績を発表した。純利益は前年比29%減の745億円、売上高は同比21%増の1兆3800億円だった。

 12年に買収した米国の高級デニム「Jブランド」の低迷による193億円の減損損失が響いた。

 柳井正社長は今回の損失について一過性のものだと言及。「今の優先事項は、国内事業の安定成長を維持し、海外成長を加速させ、世界ブランドの事業を見直すこと」と強調した。

 15年8月期の業績について、純利益は前年比34%増の1000億円、収益は同比16%増の1兆6000億円と予想した。

 同社は2020年度までに売上高5兆円達成の目標を掲げている。

◆ユニクロ事業、米国で苦戦も強気
 ユニクロ店舗は国内831店舗、海外633店舗。ブルームバーグによると、海外店舗のうち約半分は中国だという。

 海外ユニクロ事業全体の売上高は前年比65%増となったが、米国では冷夏の影響や開店コストがかさみ赤字を継続した。

 現在、米国には26店舗あり、来月の感謝祭までに新たに13店舗出店するとしている。

 柳井社長は今回、「世界ナンバーワンになるため、米国でトップの地位を得なければならない」と語り、(海外新規出店計画185店舗のうち)米国で100店舗出店する計画を明らかにした。

◆海外視野に入れるも、売上は国内依存
 同社は今回初めて国際会計基準を適用した業績を発表。今回、国内ユニクロ事業の売上高は前年比4.7%だったが、先週の発表では同比20%増だった。

 ニュースサイト『クォーツ』は、同社は世界的な視野を持つが、同社の売上の52%と利益の74%はいまだ日本だと指摘した。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、「ユニクロ・ジャパンが今年度の利益にさらに寄与する」との野村証券アナリスト正田雅史氏の予測を掲載している。

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Text by NewSphere 編集部