マクドナルド、なぜ業績悪化? “高い、古い、美味しくない…” 客の厳しい声

 日本マクドナルドHDが7日、2014年12月期の連結業績予想を下方修正した。当期の最終的な損益が、当初予想していた60億円の黒字から一転、170億円の赤字となる見通しとされた。11年ぶりの赤字となる。

◆赤字転落の原因は
 7月に発覚した、期限切れ中国産鶏肉使用問題だけでなく、それ以前からの激しい競争の影響も大きいようだ。ロイターは、コンビニとの激しい競争でマクドナルドに対する消費者の需要が弱くなっているところへ、期限切れ中国産鶏肉問題が追い打ちをかけ、売り上げが急激に落ち込んだと分析している。

 今回の中国産鶏肉問題の処理や、今後の業績改善に必要な経費も重くのしかかっているようだ。7日の発表では、廃棄処分にした食品の減損損失を含む特別損失93億円を計上している。サラ・カサノバ社長兼CEOは、「品質向上のため、27億円以上を投資する」と述べている(英フィナンシャル・タイムズ紙)。

 消費者の変化等も見逃せない。カサノバ社長は記者会見の中で「消費者からは、値段が高く、メニューに魅力がなく、店も古いと苦情がきていた」と苦しい現状を明かした。

 世界的にもマクドナルド社をめぐる環境は厳しさを増している。世界の既存点売上は、8月に前年同月比3.7%減少した。「戦略ミス、競争、消費者の好みの変化などへの難しい対応が続き、今度は9月に食の安全スキャンダルが利益を直撃しそうだ」とロイターは予測している。

◆日本マクドナルドの現状と今後の予測
 日本マクドナルドの8月の既存点売上は、前年同月比25%減少で、これは2001年以来最も激しい落ち込みとなった。9月も同16.6%減となり、これで8ヶ月連続の落ち込みとなった。

 業績回復に向けた今後の取り組みについて、カサノバ社長は「消費者の信頼回復のため、何でもするつもりだ」と述べた。

 原料の産出国と食品を処理する国の名前をウェブ上で公開するとのことである。なお原料の食肉については、中国からの輸入をタイからに切り替えており、ブラジルからの輸入も検討中だという。

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Text by NewSphere 編集部