ソフトバンク、米映画会社出資 「かなり面白いポジションに」と海外識者が期待

 2日、ソフトバンク はハリウッド版「GODZILLA ゴジラ」や「ダークナイト ライジング」を制作した米映画会社レジェンダリー・エンターテインメントに対して、2億5000万ドル(約270億円)出資すると発表した。

 ソフトバンクはレジェンダリーの株式7.5~10%を取得し、ソフトバンクのバイスチェアマンであるニケシュ・アローラ氏がレジェンダリーの取締役に就任する。アローラ氏は米ソフトバンク・インターネット・アンド・メディア社の最高経営責任者(CEO)も兼務している。

 両社は合弁会社を設立して、オンラインおよび携帯端末を通じたTV・映画サービスを手掛け、特にインドと中国の市場に注力するという。

【次々と買収に乗り出す】
 アリババのIPOで46億ドルの収益を得たソフトバンクは、資金力を背景に次々と企業買収を試みている。

 各メディアは、ソフトバンクが去年の7月に米携帯大手スプリントを買収した(TモバイルUSについては断念)ことに触れ、また、米映画製作会社ドリームワークス・アニメーションを買収する方向で現在も協議中だと述べる。ただし、こちらは難航している模様だ。

 去年の7月、ソフトバンクは世界最大の音楽事業会社ユニバーサル・ミュージックの買収を打診したが、親会社の仏ビベンディに却下された。

 昨年ソフトバンクは、音楽ストリーミングサービスのビーツに提携を持ちかけたが不調に終わり、フィンランドのスマホ向けゲーム大手スーパーセルの買収には成功している。

【今回の出資についての評価】
 ブルームバーグは、岩井コスモ証券の川崎智明氏の見方を紹介する。同氏は、ソフトバンクの長期的目標はナンバーワンのインターネット会社になることであり、シナジー効果が期待できる会社を買収したいのだと見る。

 フィナンシャル・タイムズ紙は、SMBC日興証券の菊池悟氏の見方を伝える。同氏は、これは孫氏によるコンテンツ追求の始まりに過ぎないとし、孫氏はゲームや映画、ニュースといったコンテンツを買っていくだろうが、アメリカ集中では失敗するだろうと見る。

 LAタイムズ紙は、映画スタジオを手に入れることで、ソフトバンクは加入者に魅力的なサービスを提供できるだろう、というアナリストの見方を伝える。

 ガートナーのマイケル・マグワイア氏は、コンテンツ・ビジネスへの進出は、ソフトバンクがこれまで手掛けてきたものからかけ離れてはいないとし、サービスとコンテンツのエコシステムを作り上げたら、同社はかなり面白いポジションに立つだろう、と見る(同紙)。

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Text by NewSphere 編集部