テスラのマスクCEO、トヨタ提携示唆 ギガ・ファクトリーで協力か?海外注目

 アメリカの電気自動車(EV)専業メーカー、テスラ・モーターズは8日、高級セダンタイプ「モデルS」の日本納車記念式典を開催した。式典には、最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏も参加。9台のモデルSが所有者に渡された。

 式典の中でマスク氏は、トヨタ自動車との提携の可能性、パナソニックとの親密さを強調する内容のコメントを発した。

【トヨタとの関係修復はなるのか?】
 トヨタは、2010年から電気自動車「RAV4」をテスラと共同開発し、2012年にアメリカで販売を開始した。しかし、販売を排ガス規制の厳しいカリフォルニア州に絞ったため、販売台数は2000台にとどまり、目標台数2600台を下回った。また、関係筋の話として、両社のエンジニア間で衝突があったとブルームバーグは伝えている。こうした問題が重なり、今年5月に両社は決裂したという(Auto News)。

 同時期にトヨタは2014年末までにRAV4の生産を中止することを発表している。同社は燃料電池自動車(FCV)の開発に力を入れており、2015年中にも市販開始する予定のようだ(ロイター)。なおマスク氏はFCVに対し、技術的に未熟で、(EVに対し)勝ち目はない、と否定的だ。

 しかしマスク氏は「2、3年後に、トヨタとテスラが共同で大きな取り組みを行っていても不思議ではない」とコメントし、大きなプロジェクトでの連携の可能性を示唆した。これに対し、トヨタはコメントしていない。

【パナソニックと共同出資で工場建設】
 トヨタとの提携を示唆したマスク氏の頭には、パナソニックとの共同出資で建設予定のリチウムイオン電池工場「ギガファクトリー」があるのではないか、とソーシャルニュースサイト『カー・コネクション』は推測している。同サイトによると、ギガファクトリーは、トヨタが開発を進める燃料電池車のニーズにも対応できる設備を備える可能性が高いという。

 ギガファクトリーは、テスラとパナソニックが共同で出資し、ネバダ州に建設されるという。投資総額は2020年までに50億ドルにのぼる。マスク氏によると、テスラが50%、パナソニックが30から40%、残りはネバダ州政府などが負担するという。投資額の詳細について、パナソニックはコメントを控えている。

 マスク氏は8日の式典で、モデルSに搭載されているバッテリーはすべてパナソニック製であることを強調。また、「パナソニックは通常のスピード以上でテスラと付き合ってくれている。お互いに良い影響を与え合っていると思う」とコメントし、2社の親密さを強調した。これに対し、パナソニック側は、テスラは重要なパートナーだと言うにとどめている。

 トヨタやパナソニックに熱い視線を投げかけるマスク氏だが、両社からそれに応えるような熱いコメントはまだ見当たらない。今後の展開に注目が集まりそうだ。

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Text by NewSphere 編集部