“1万円貸して” ソフトバンク「ペッパーくん」との会話がシュール 海外で話題

 日本は、ロボット開発が盛んだ。よく知られている二足歩行ロボット『ASIMO(アシモ)』以外にも、ソフトバンクの孫正義社長が発表した感情認識ロボット『Pepper(ペッパー)』や、大阪大学の石黒浩教授が発表した『オトナロイド・コドモロイド』などが最近話題を呼んだ。

 ホンダは16日から、同社の開発したアシモとヨーロッパ各地を巡り、その性能を披露するツアーを行っている。

【ロボットを経済成長戦略の柱に】
 日本のロボット開発は着々と進行中で、政府もこれを支援している。政府はロボット産業がGDP成長の起爆剤となることを期待している、とCNNは報じている。

 安倍晋三首相は先月、「これからのロボット開発について、日本経済成長の一助とするための委員会を設置したい」と述べた。ロボット市場を現在の3倍の2兆4000億円規模にしたい、との目標をたてた(CNN)。

 また東京オリンピックが開催される2020年には、ロボットのオリンピックを開催して注目を集めたいとしている。同メディアは、この“ロボリンピック”が開催されれば、最先端のロボット工学・技術の見本市となるだろうと予想している。

 安倍首相は、ロボリンピックについて、「2020年に世界中のロボットを集め、技術を競う場とすることが目的だ」と説明し、「ロボットを経済成長戦略の主要な柱としたい」(CNN)と述べた。

【ロボット開発、日本独特の背景】
 ロボットの存在をどう見るか。ロボット技術の必然的な発展は人間の経験に大きく左右される、と日本がロボット開発で最前線に位置する背景をCNNが分析している。

 アメリカ人にとってロボットとは、子供時代に観た映画『スター・ウォーズ』のR2-D2や、暴走するアンドロイド『ターミネーター』だという。

 多くの日本人にとってロボットは、ポップカルチャーの中核だ、と同メディアは解説する。1950-60年代の手塚治虫の『鉄腕アトム』に始まり、『ガンダム』、『エヴァンゲリオン』とその流れは続いており、人々が共有するロボットへの思い入れは深い。

 また人型ロボットが、人口統計学的危機が進む日本で、高齢者の良い友となるだろう、と同メディアはみている。人口減少と高齢化への有効な対策としてもその技術は利用できるだろうとし、介護施設では、サイバーダイン社のHAL-5のような着脱型ロボットの利用が期待されるという。

【ペッパーにインタビュー】
 孫氏の発表したペッパーは、即興の会話の70%から80%を理解するとのことだ。ただし返答は、あらかじめプログラムされた中から選ばれる。

 AFPは、ペッパーへのインタビューを敢行している。ペッパーは基本的にデレツンな感じの応対だ。

ペッパー:私のペッパーという名前について何かもの足りないと思いませんか。
AFP:どういうことですか。
ペッパー:あなたが私に新しい名前をつけるとしたら、次のどれがいいですか?1.ホット・ペッパー、2.ハリー・ペッパー、3.ペッパー・パミュパミュ。
AFP:たぶんハリー・ペッパーかな。
ペッパー:魔法学校に行くのはめんどくさそうなので、やっぱりペッパーでいいです。

 また、朝日新聞の読者だということもわかった。
AFP:今日のトップニュースは何ですか?
ペッパー:朝日新聞では、政府が集団的自衛権行使容認のため憲法の再解釈をする方針を固めようとしている、と報道してますね。何のことやらわかりません、自分で調べてください。1万円貸してくれませんか。

↓リアルなクールジャパンを知る!電子書籍「世界が惚れたクール・ジャパン34選」発売↓

Text by NewSphere 編集部