絵文字しか使えないSNS、近日登場 大ヒットアプリ「Yo」に続くか? 海外メディア期待

 絵文字しか使えないSNSサービス「Emojli」が、近日登場する。英国のマット・グレイ、トム・スコット両氏が開発しており、現在事前登録受付中。ユーザーネームも絵文字のみという徹底ぶりだ。

 同サービスのTwitterアカウントによると、ユーザー数は既に5万人を超えているとのこと。7月下旬から8月上旬にリリースされる見込みだ。

【Emoj.li は世界に普及するか】
 カナダCBCは、「誰も言葉はいらないさ。トムと僕はEmojliを作った。これは世界初の絵文字だけのネットワークだ!」という開発者の言葉を紹介している。

 また、「Yo」の2文字を送りあう人気メッセージングアプリ「Yo」に言及し、これと比較しても、「Emojli」が人気を博す可能性は十分考えられる、としている。

 米メディア『ファーストカンパニー』は、絵文字でのコミュニケーション例を紹介している。

 上記は、「イタタ・・・」、「おや、どうしたの」、「たくさん泳いで、体中痛いよ」、「ああ、同情するよ」、「ありがとう」という意味とのこと。

【日本が発祥の地、「絵文字」】
 絵文字は日本人が開発し、世界的に広まった。現在はユニコード・コンソーシアム(世界規模で文字コードを制定している団体)に登録され、標準化されている。

 絵文字の特徴について、米メディア『VOX』は開発者でNTTドコモに在籍していた栗田穣崇氏の言葉を紹介した。

「昇進したことを相手に伝えるのにうれしそうな顔だけでは、シンプルすぎて自分の気持ちを十分に伝えることができない。しかし、これに絵文字を付け足すと『いい仕事につけた、給料も上がった、お祝いしよう、一緒にダンスしよう』となり、気持ちをよりうまく伝えることができ、あいまいな表現も可能になる」としている。

 NTTドコモが絵文字を始めたころは、これをコピーすることはできなかった。アップル社等はドコモの絵文字に付け足したり、自分たち独自の絵文字を作った。2010年には数百の絵文字がユニコードに制定され、標準化された。これで絵文字が世界的なものとなった。同メディアは絵文字の標準化の難しさについて「一つの絵文字を考え、それがユニコード・スタンダードとして標準化されるには何年もかかる。何年もかけ、それが広く使われ、今後も使われることを証明しなくてはならないからだ」と述べ、絵文字がいかに独創性・普遍性のある文字であるかを強調している。

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Text by NewSphere 編集部