楽天、航空事業に参入 あえて“非・航空会社”と提携するエアアジアに海外メディア注目

 日本eコマース最大手の楽天が、アジアLCC(格安航空会社)最大手のエアアジアと提携して航空事業に参入する。東洋経済オンラインなどが26日報じた。

 楽天とエアアジアが最大3分の1ずつ出資し、残りを複数の日本企業が出資する案が有力だという。中部国際空港(セントレア)を拠点とし、2015年中に就航開始する見通し。

 7月上旬にエアアジアのトニー・フェルナンデスCEOが日本で会見を開くとみられる。

【航空事業に初参入する、楽天の狙い】
 eコマース(電子商取引)とインターネット事業に注力してきた楽天にとって、航空事業への投資は1つの転機となる。

 「楽天は確かに理にかなっている。楽天のプラットフォームを使うことができ、またeコマースの商品を運ぶこともできる」という、シンガポールのUOBケイヒアン証券のアナリスト、K・アジス氏の見解をロイターは掲載した。

 2000年以来100社以上に投資している楽天が株式取得するのは今年5回目となる。最近では2月に無料通話・メッセージサービスのバイバーを9億500万ドルで買収している。

【さらなる路線拡大をにらむエアアジア】
 エアアジアは2012年にANAと合弁会社を設立して日本市場に参入。だが、価格設定やルート、販売インフラをめぐって揉め、昨年合弁を解消。ANAが事業を引き継ぎ、バニラエアとして運航を再開した。

 「エアアジアは別の航空会社との提携は向いていないという教訓を学んだ」という、シンガポールの航空情報センターのアナリスト、ブレンダン・ソビエ氏の見解をフィナンシャル・タイムズ紙は掲載した。

 同社は2度目の日本参入に際し、航空産業に直接関与しないパートナーを選ぶこととなる。今回はうまくいくのか。

 ロイターは両社長の共通点としてスポーツ好きを挙げている。三木谷社長はプロ野球・楽天イーグルスのオーナー、フェルナンデス氏はイギリスのサッカークラブ、クイーンズ・パーク・レンジャーズの主要株主である。

 マレーシアを拠点とするエアアジアは、フェルナンデス氏が2001年に経営不振だった同国国有の航空会社を買収して以来、世界で最も成功しているLCCの1つとなった。長距離便のエアアジアXを傘下に持つなど、路線拡大を図っている。今月にはインド最大財閥タタ・グループと合弁で、インドに航空会社を設立した。


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NewSphere編集部
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Text by NewSphere 編集部