ドコモを抜いたソフトバンク 海外紙は孫社長の「次」に注目

 10月31日、ソフトバンクモバイルは2013年4-9月期の決算発表を行った。売上高は2兆5986億円(前年同期比72.7%増)、営業利益は7150億円(同66.6%増)、当期利益は3949億円(同84.1%増)だった。いずれも、同業のNTTドコモ、KDDIを上回った。

 アメリカでの事業拡大に伴い、来年度の売上高は7兆円(今年度は約6兆円見込み)を目指すという。

【合併買収を繰り返し成長してきたソフトバンク】
 ソフトバンクは約30年前の創業以来、1300以上の企業を合併・買収し、成長につなげてきた。この1年だけでも、少なくとも12社と取引しているとブルームバーグは報じている。

 2006年にはボーダフォンを買収して携帯電話市場に参入。今年には216億ドルで米携帯電話3位のスプリント社を買収。さらに126億ドルで米携帯端末卸大手ブライトスター社株の過半数を取得した。

【iPhone販売も好調】
 ソフトバンクの9月の契約数は、約27万件の純増と好調だった。一方、iPhoneの発売を開始したNTTドコモは6万6800件の純減だった。

 またマーケティング調査会社BCNによると、iPhone5sと5cの販売シェア(9月20日~10月20日)は、ソフトバンク40%、NTTドコモ34%、KDDI26%であったという。

【ソフトバンクの今後の展開は?世界一を狙うコンテンツ事業 】
 孫氏は同日、記者団に対して、スマートフォンのゲームで世界一を目指す意向を述べた。「追随を許さないモバイルネットワーク&サービスを創り上げる」と語った。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、ヤフーや中国のアリババグループへの早期投資同様、洞察力のある計画、とみている。

 なお調査サービス会社IDGによれば、世界のモバイルゲーム市場は、5年以内に2倍以上の296億ドルに達する見通し。

 またフィナンシャル・タイムズ紙は、日本の投資専門家による「孫氏の実績は確固たるもの」との評価を紹介。同時に、アナリストによる「孫氏がいかに企業を安定させていくかが見もの」という意見を紹介している。

Text by NewSphere 編集部