「45万円」のiPhoneアクセサリー?

 日本のテラモーターズは7月10日、電動バイク「A4000i」を発表した。世界で初めて、スマートフォンとつながる機能を搭載。標準装備はそのままで、ユーザー自身のタッチパネルをEVに搭載できたらどうだろう、というアイディアを形にしたという。

【A4000iのスペックとは】
 A4000iは、ダッシュボードに、使用者のiPhoneを搭載できる。Bluetoothで独自のアプリを起動すれば、画面にバッテリーレベルや行き先案内等が表示される。

 独自のナビゲーションソフトは現在開発中で、渋滞時の位置情報を案内するGPS機能も搭載予定とのことだ。また現在はiPhoneのみ対応しているが、2014年にはアンドロイド対応車種の発売も予定しているという。

 A4000iの最も実用的な特徴はバッテリーのデザインだ、と米テクノロジーメディア・ヴァージは報じている。軽量でスリムなため、シートの下に簡単に入れられる。航続距離は65kmで、充電時間は2〜3時間。コンビニなどで充電済みのバッテリーを簡単に入手可能であるとも報じている。

 ヴァージによると、同社事業開発部長の加藤真平氏は、「交換可能なデザイン」を最大の長所と語っているという。また同氏は、このアイディアは、日本などアジアにおける充電インフラ不足との戦いから産まれたものだとコメントしている。

 なお、価格は45万円で、「高価なiPhoneアクセサリー」との見方もある。同社は、年内に1万台、2〜3年後に10万台の出荷を目指しており、東南アジアへの参入を目指していると報じられている。

【テラモーターズのビジョン】
 加藤氏は、東南アジアにおいて「2−3%の購入可能な人々の注目が集まってきている」と語っている。地域において、スマホとスクーターはステータスシンボルであり、この組み合わせが、従来のスクーターより高価値と判断されることを見込んでいるようだ。

 同氏はまた、「始まったばかりのEV業界では『高品質な』電動スクーターはほとんど前例がなく、市場におけるテスラ社を目指している」とコメントしている。

【テクノロジーメディアの評価】
 ヴァージは、一般的に普及した暁には、A4000iはより便利なものとなるだろう、と評している。静かでスムーズに走り、障害物を前に素早く停止する。最高速度は65km/hにおよび、スムーズに加速するこことは、ターゲット層と市場にマッチすると同紙は論じている。

 ただし、「最高品質の」電動スクーターの実績はまだ未知数で、iPhoneを搭載する必然性や最適な場所への疑問はまだ残ることも同紙は伝えている。

Text by NewSphere 編集部