吉田松陰の名言まとめ|行動の大切さを問いた教育者の言葉に学ぶ
吉田松陰は「夢なき者に成功なし」や「親思ふ心にまさる親心」などの名言で知られる、幕末の思想家・教育者だ。明治維新に関わる多くの人材を育てた吉田松陰の言葉は、現代に生きる私たちにも多くのことを教えてくれる。
本記事では、名言を教育・夢・努力の3つのジャンルにわけて紹介するとともに、吉田松陰の書籍もあわせて紹介する。人生に迷ったときのヒントに役立ててほしい。
目次
吉田松陰のプロフィール
吉田松陰のプロフィールについて、簡単に紹介しよう。
名前 | 吉田松陰(よしだしょういん) |
生年月日 | 1830年9月20日 |
死没日 | 1859年11月21日 |
出生地 | 長州萩城下松本村(現在の山口県萩市) |
肩書き |
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吉田松陰の生涯
吉田松陰は幕末、長州藩に生まれた教育者・思想家である。私塾「松下村塾」を開き、のちに明治維新で活躍する人物たちの教育に携わった。幕府に反発して投獄されたのち、老中の暗殺計画を自首して自ら死罪を志願し、わずか30歳にて死没した。
吉田松陰の生い立ち
1830年9月20日、長州藩の松本村(現在の山口県萩市)で長州藩士の次男として生まれる。1850年、西洋兵学を学ぶために九州に遊学、その後江戸に出て、思想家の佐久間象山に師事した。
吉田松陰の経歴
1857年に松下村塾を開塾し、高杉晋作・伊藤博文らを教育した。1858年の幕府の日米修好通商条約に反対し老中の暗殺を計画、幕府に捕らえられる。1859年、安政の大獄で刑に処され30年の生涯を閉じる。
吉田松陰の名言
ここでは、吉田松陰の名言を「教育」「夢」「志(こころざし)・努力」の3つのジャンルにわけて紹介する。
教育に関する名言
宜しく先ず一事より一日より始むべし
意味:大事を成し遂げようとするなら、まずは小さな一歩からはじめよう
吉田松陰は弟子たちに対し、常に「議論よりも行動しろ」と教えていた。大きな夢を語るのなら、まずは一歩を踏み出す大切さを教えてくれる名言である。
一日一字を記さば一年にして三百六十字を得、一夜一時を怠らば、百歳の間三万六千時を失う。
意味:1日1つでも何かを継続すれば知識を積み上げていける。しかし何もしなければ、その間の時間や経験の機会をすべて失うことになるだろう。
学ぶ大切さを教えてくれる名言だ。1日に少しずつでも積み上げていけば、1年後には大きな成果となって花開く可能性がある。何もしないことは失うことと同じだと考えれば、おのずと自分がやるべきことが見えてくるかもしれない。
師道を興(おこ)さんとならば、妄(みだ)りに人の師となるべからず、又妄りに人を師とすべからず。必ず真に教うべきことありて師となり、真に学ぶべきことありて師とすべし
意味:簡単に人の師になってはいけないし、人を師にしてもいけない。教えるべきことがあってはじめて師になり、学ぶべきことがあってはじめて師にするのだ。
人を師と仰ぐのも、誰かに師と呼ばれることも簡単である。しかし、まず考えるべきなのは教えることや学ぶことが自分にあるかどうかではないだろうか。他人軸ではなく、自分軸で生きることが大切だと教えてくれる名言である。
夢に関する名言
夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に夢なき者に成功なし。
意味:夢がない者に理想はない。理想がない者に計画はない。計画がない者に実行はない。実行がない者に成功はない。つまり、夢がない者は成功しない。
夢をもつことからすべてははじまると問いた名言だ。夢があっても成功するとは限らないが、夢をもたない限り成功することもない。夢までのゴールを描き、計画どおりに実行することが成功する術であると、吉田松陰の名言は教えてくれる。
志定まれば、気盛んなり。
意味:目標が志としてはっきりと定まれば、自然とやる気も湧いてくる。
あなたのやる気が起きないのは、やりたいことが定まっていないからかもしれない。はっきりとした目標ができれば、おのずとやる気も出てくるものだ。人生にこれといった目標がないなら、まずはやりたいことを探してみよう。
狂愚まことに愛すべし、才良まことにおそるべし。諸君、狂いたまえ。
意味:狂っているかのような情熱で行動できる人は愛すべき存在であり、理屈ばかりで行動しないのは恐ろしいことだ。ゆえにどんどん狂うべきだ。
吉田松陰は行動力の人として知られた。何かを始めようと思っても、常識や慣習にとらわれて一歩を踏み出せないことは誰にもあるだろう。ときには「狂っている」と思われるような行動をしてみると、何かが変わるきっかけになるかもしれない。
志(こころざし)・努力に関する名言
身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも留め置かまし大和魂
意味:私の身がたとえ武蔵の地で朽ちてしまっても、大和魂だけはこの世に留めておこう
吉田松陰の辞世の句として知られる。この句を含む『留魂録』を書き上げた翌日、吉田松陰は刑に処された。自分の信念を貫く大和魂をもち、困難があっても必ず成し遂げようという気概を感じる歌だ。
過ちがないことではなく、過ちを改めることを重んじよ
意味:自分の間違いや失敗を認め、直そうとする姿勢が大切である
どんな人でも間違いや失敗を犯すことはあるだろう。しかし、失敗を受け入れなかったり、失敗を恐れて挑戦をやめたりしてはいけない。大切なのは間違わないことではなく、間違ったあとに正せるかどうかなのだと、吉田松陰は問いている。
花、闌なれば則ち落ち、日、中すれば則ち昃く。人、壮なれば則ち老ゆ。百年の間、黽勉の急ありて游優の暇なし。
意味:満開になればやがて花は落ちる。太陽は南中すればやがて陰りはじめる。人は壮年を迎えればやがて老いていく。百年の間必死で勉強すべきであり、ゆったりとくつろぐ暇はない。
永遠に絶頂期を保てるものなどなく、命も永遠ではない。花も太陽も人生も同じである。ゆったりくつろいでいる間に輝ける時期は終わってしまうかもしれない。100年の人生の間も、努力し続けることが大切だと教えてくれる名言だ。
吉田松陰の名言がわかるおすすめ本3選
吉田松陰の名言は、ここでは紹介しきれないほどたくさんある。ぜひ、吉田松陰の名言がわかる本を手元におき、折に触れて読み返してみよう。以下におすすめの本をまとめたので、参考にしてほしい。
『吉田松陰一日一言』(致知出版社)
出典:Amazon
吉田松陰の名言を、一日一言ずつにまとめた本だ。吉田松陰研究30余年の編者の訳文が収められており、松陰の想いが現代に蘇るようである。
『吉田松陰四字熟語遺訓』(致知出版社)
出典:Amazon
吉田松陰が残した四字熟語の名言100選に、時代背景を踏まえた解説を加えて紹介している本だ。厳しさ、温かさ、純情さなど、吉田松陰の心が4文字に凝縮され、今もなお私たちに大切なメッセージを伝えてくれる。
『覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰』(サンクチュアリ出版)
出典:Amazon
「不安と生きるか、理想に死ぬか」そんな問いを投げかけてくる吉田松陰の名言の数々を、覚悟の磨き方という観点から紹介している本である。読むというよりも、彼の言葉を体いっぱいに浴びるようなインパクトがある。超訳のため内容もわかりやすい。
吉田松陰の名言に学び、今を変えるための一歩を踏み出そう
本記事では、吉田松陰の名言を3つのジャンル別に紹介した。自らの信念を貫いて30歳での死を選び、常に勉強と行動を怠らなかった吉田松陰に学べることは多い。吉田松陰の生い立ちや、たどってきた経歴にふれると、その名言がさらに心に沁みて感じられるだろう。
夢をもつこと、行動することで必ず道は拓ける。そう信じて、吉田松陰の名言を心の支えにしながら一歩ずつ、行動をはじめてみてはどうだろうか。
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