ハワイでは1パック1000円以上 全米各地で卵の価格が高騰

Nam Y. Huh / AP Photo

 世界的にインフレの影響で食品価格が高騰している。冷蔵庫になくてはならない卵はその一つだ。アメリカでは昨年に入り、卵の値上がりが止まらない。スーパーマーケットの棚から卵が消えている地域もある。朝食に欠かせない卵にいったい何が起きているのか?

◆価格1年で60%高騰 ハワイでは1パック9ドル超
 全米各地で昨年12月以降、卵の価格が高騰し、一部州ではスーパーマーケットの棚から卵が消えている。昨年12月時点の価格は、前年同期比60%上昇した。昨年1月のLサイズA級12個入り1ダースあたりの平均価格は1.93ドル。それが卵の需要がピークになる12月には、4.25ドルに跳ね上がった(USAトゥデイ 1/18)。

 食料品の即日配達サービスの運営会社インスタカートによると、全米一、二の高値を争うハワイ州では、昨年12月の価格は1ダースあたり9.73ドル、フロリダ州では6.36ドルに値上がり、この1ヶ月で57%上昇した(インサイダー 1/23)。

 コロラド州やカリフォルニア州などでは、食料品店の陳列棚から卵が空になっている。そのため、カリフォルニア州では、1パック30個入りわずか3ドルの卵をメキシコで購入し国内に持ち込み、税関・国境警備局で押収されるケースが後を絶たず、過去4ヶ月で押収量は108%増加した(ニューヨークポスト 1/19)。一方、マサチューセッツ州やアリゾナ州などの一部の州では、やむを得ずニワトリを自分で飼育する消費者も現れた。

 アメリカ鶏卵振興会(AEB)のエミリー・メッツCEOは、「一部の州の特定地域で品不足になる一時的現象が起きていますが、今のところ、広範囲の地域で品不足になっていないので、買い占めも発生していません」と話す(USAトゥデイ)。

Text by 中沢弘子