中国へのユーザデータ流出を危惧 アメリカでTikTok禁止法案審議へ
手軽かつ簡単に短い動画を投稿できる動画投稿アプリとして大人気のTikTok(ティックトック)。アメリカでも特に若年層ではすでにインスタグラムを凌ぐ人気と言われるほどで、セレブの愛用者も多い。
しかしTikTokには中国発のアプリであることの懸念が常につきまとっている。2020年には当時のトランプ大統領が、国家安全保障上のリスクを理由に、大統領令でTikTokを禁止する騒ぎにまで発展した経緯がある。その後トランプ氏による禁止措置は解除されたものの、ここに来て再び禁止となる可能性が出てきた。珍しいことに民主・共和両党議員が協力し、上下両院でTikTokの全国的禁止法案が提出されたのである。
◆アメリカで広がるTikTok禁止法
今回の禁止理由も前回と同じセキュリティ上のリスクだが、今回の方が緊急レベルが高いという。NBCニュースによると、今回の禁止法案は連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ局長やサイバーセキュリティのエキスパートが、中国政府がこのプラットフォームをスパイ行為に利用する可能性があると議員に告げたことに端を発しており、中国やロシア、そのほか懸念がある国々のアプリを禁止することにより、アメリカ人を守ることを目的としているという。
全国規模の全体的な使用禁止法案のほかにも、14日には上院で政府所有のデバイス上におけるTikTok使用禁止法案が可決された。CNNによると、理由は同じくセキュリティリスクで、TikTokの親会社であるByteDance(バイトダンス)経由でユーザーデータが中国政府の手に渡ることを危惧したためだという。またUSAトゥデイによると、同様にすでにテキサスやジョージア、バージニア、メリーランド、アイオワなど全米十数州で州職員のTikTok使用禁止法が成立しているほか、軍用デバイスでの使用も禁止されている。アメリカ国内におけるTikTok禁止は確実に拡大してきている。
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