公聴会で明らかになる米議会襲撃の事実 「トランプ氏を訴追すべき」世論に変化も
2021年1月6日、アメリカの連邦議会議事堂にトランプ支持者が乱入し、前年に行われた大統領選結果の承認阻止を暴力で企てようと試みた。この「クーデター未遂」事件を調査する「1月6日調査委員会」の公聴会が6月9日に始まった。現在までに行われた5回の公聴会では、主にトランプ氏の周囲にいた共和党員が数多くの宣誓証言をしており、残りの2回も当初は6月中に開催される予定だったが、同委員会によると、開催中に新しい証拠が入ってきたため再編成が必要ということになり、残りの2回は7月以降に延期された。
アメリカでは現在ニュースメディアの報道はこのニュース一色で、無差別銃撃事件やウクライナに関するニュースも影を潜めた感がある。この公聴会では、さまざまな角度からトランプ氏の「ビッグ・ライ(大嘘)」、すなわち同氏とその側近が大統領選落選後、票の再集計から裁判、副大統領や司法省、各州政府および州議会への圧力、偽の選挙人団の結成、そして1月6日の事件まで、2020年大統領選の結果を覆す努力をどのように行ったのかを検証している。公聴会はほぼすべてのニュースメディアのテレビとインターネットチャンネルで生中継されている影響から、これまでトランプ氏の嘘を信じていたトランプ支持者の意見にも少なからず影響が出てきているようだ。
◆恩赦求めた共和党現職議員の名が明らかに
CNNによると、23日に行われた5回目の公聴会では、当時のジェフリー・ローゼン司法長官代行が、不正の証拠がないのにもかかわらず、トランプ氏から「大統領選で不正が行われた」と一般公表するよう要請を受けたことや、投票機を押収させようとしたこと、またトランプ氏が要請に従わないローゼン司法長官代行を解雇して、当時司法省で環境と自然資源部門の司法副長官を務めていたジェフリー・クラーク氏を司法長官に任命しようとした経緯についての証言などが行われた。
- 1
- 2