「おしゃべりレジ」でゆっくり会計 フランスのスーパーなどで設置進む

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 ここ最近フランスでは「ブラブラレジ」を設けるスーパーが増え、話題になっている。これは一言でいえば、レジ担当者と客が気兼ねなく世間話できるレジのことだ。フランス語の「ブラブラ(blabla)」は、もともと「なんやかや話す」の「なんやかや」を指す語だ。ライドシェアサービスを展開する企業「BlaBlaCar(ブラブラカー)」にも用いられ、社交的な交流における「おしゃべり」というニュアンスを持つ。「スローレジ」とも呼ばれるこの「ブラブラレジ」。蓋を開けてみると、性別・世代に関係なく支持者がいることがわかった。

◆後ろを気にせず世間話を楽しめる
 世間話のできるレジという発想を、最初に実用化したのはオランダのスーパーチェーンJumboで、2019年のことだった(アクチュ紙、1/29)。フランスでも同年、Uグループの一部スーパーや、ディジョンのカルフールなどが導入した。

 その後、新型コロナ流行が原因でブラブラレジは一時的に封印されたが、やはり新型コロナが理由で、他人との交流を求める人が増えたため、改めてその意義が見直された。そのため、多くのチェーン店が、ここ数ヶ月でブラブラレジ導入に着手している。たとえば、カルフールは150店にブラブラレジを設置し、今年3月末までにこれを全店に広める意向だ(アクチュ)。同じく大手オーシャンも昨年秋から複数の店でブラブラレジの設置を進めている。

◆真逆にあるセルフレジの増加
 ブラブラレジのコンセプトは、今世紀に入ってから年々増加するセルフレジとは真逆のものだ。フランスのセルフレジの普及速度は目覚ましく、2004年に最初に導入されたのち、現在ではハイパーマーケット全体の88%、上述のオーシャンに限れば99%の店舗に設置されている(パリジャン)。

Text by 冠ゆき