アフリカEV最新動向:高まる関心、スタートアップへの期待
アフリカではまだディーゼル車、ガソリン車が主流で、電気自動車の普及率が低いが、昨今、少しずつEV(電気自動車)事業が起こりつつある。スタートアップに期待がかかるEV最新動向とは。
◆現状、EV展開は限定的
世界各地でEV市場は成長しつつあるが、アフリカではまだディーゼル車、ガソリン車が主流で、電気自動車の普及率は100万台に1台程度と低い状況。アフリカ大陸のなかで、電気自動車が最も普及しつつある南アフリカにおいても、全1200万台の車両に対して、EVは約1000台と推定されている。
EV展開が限定的である背景の一つとして、車両の大半が中古車である点が挙げられる。世界の中古車の輸出先の約4割がアフリカ大陸との推計がある。ナイジェリア、ケニア、エチオピアなどでは輸入車両の8〜9割が中古車だ。また、各国政府の政策や規制の状況も、欧州などと比較してEV展開を促進するものではない。加えてインフラの問題もある。整備されていない道路、不安定もしくは限定的な電気供給、そしてEVの充電ステーション不足といったインフラ課題はEV展開の足かせとなっている。
現状の市場は限られているが、アフリカの各国政府や企業は徐々にEV事業への関心を広げつつある。アフリカン・ビジネスの記事によれば、ケニア、エチオピア、セネガル、コートジボワール政府などがEVへの関心を示しつつある。同時に、国連環境計画(UNEP)は、化石燃料から電気への移行に向けた、アフリカ各国政府の政策立案の支援プログラムを展開している。
実際、いくつかの国では少しずつ変化が起こりつつある。東アフリカではルワンダがEV促進に積極的で、税制優遇などの政策展開を図っている。ケニアも2025年までに新たに登録される車両数の5%をEVとする目標を掲げている。また、欧州輸出向けの車両生産を行う南アフリカでは、EUが2035年までに燃焼エンジン搭載車両からフェーズ・アウトする流れに向けて、国内でのEV需要も拡大させる方向だ。
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