レイプドラッグ注射「ニードル・スパイキング」、英で被害続発 女性を狙う新たな手口

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 イギリスのバーやナイトクラブなどで女性の隙をつき、注射針で薬物を打つ手口が相次いでいる。ニードル・スパイキングと呼ばれるもので、多くの被害者たちは注射されたことにすら気づかないまま意識を失う。全身を絶えず警戒することは事実上不可能であり、待ちかねたナイトライフの再開を喜ぶ若者たちに当惑が広がる。

◆注射から10分で立っていられず
 学生が多く暮らすイングランドの街・ノッティンガムで9月、ナイトクラブに興じていた留学生のサラ・バックルさんが突然体調に異変を感じた。それまで快調だったサラさんは突然立っていられなくなり、言葉を発することすらままならなくなった。サラさんは英BBC(10月20日)に対し、「これまでにも度を過ぎて飲んだことはあったけれど、今回はそれと完全に違っていました」と語る。翌朝病院で目覚めた彼女は、手首に小さな注射痕があることに気づいた。

 大学1年生のリジー・ウィルソンさんも、同じくノッティンガムのナイトクラブで被害に遭った。10月下旬、友人たちとナイトクラブでのひとときを楽しんでいると、背中に鋭い痛みを感じたという。10分ほど経つと、立っていることが難しくなってきた。彼女はニードル・スパイキングの手口を聞いたことがあり、自分も同じ目に遭ったのではないかとすぐに不安を感じたという。友人たちが病院へ担ぎ込み、意識が混乱し足の感覚がない状態で数時間を過ごした。米ニューヨーク・タイムズ紙(10月22日)の在英記者に対しリジーさんは、「一番動揺したのは、自分では何も手立てを打てなかったことです」と語る。

Text by 青葉やまと